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人生には、1日も同じ日はない。映画『PERFECT DAYS』を観て思うこと。

人生には、1日も同じ日はない。
一瞬たりとも同じ時はない。
だから、人生をたのしもう。
きげんよく生きよう。
そんなことを考えた。

主人公は、トイレの清掃員。

朝、老女が竹ほうきで掃く音が
アパートの2階まで聞こえてきて、
目を覚ます。

歯をみがき、ひげを整え、
植物に水をやる。

首にタオルを巻いて、
制服に着替える。

玄関を出て、
空を見上げて少し微笑む。

駐車場の自動販売機で、
いつもの缶コーヒーを買う。

車に乗ってゴクゴクと飲み、
エンジンをかける。

お気に入りのカセットテープをかけ、
仕事に向かう。

午前の仕事を終えて昼食。
神社で木漏れ日を眺めながら、
いつものサンドイッチと牛乳。

仕事が終わったらアパートに戻り、
着替えて自転車で銭湯に向かう。

風呂上がりに馴染みの居酒屋で、
注文しなくても出てくる
チューハイとおつまみで夕食。

アパートに帰り、
布団に入って本を読む。

うつらうつらしてきたら、
そのまま眠りにつく。

そんな日常が何度も繰り返される。
それが日常の違いを際立たせる。
そんな日々をたのしんでいる。

もちろん、たのしいことばかりではない。波風を立てるような出来事もある。それでも次の日、アパートの玄関を出て空を見上げ、少し微笑む。

ジェットコースターに乗っていてはわからない景色も、自転車や徒歩ならゆっくり眺めることができる。意識して普段の生活を見ると、毎日新しいことが起こっている。そんな気づきを与えてくれる映画だった。

上映後、別の映画を観ていた妻と娘とゲームセンターで待ち合わせ。先に映画館を出た妻娘は、クレーンゲームでぬいぐるみをゲットしていた。わたしを見つけた娘が駆け寄ってきて、「お父さん見て、『ジャンボ ジョシュ』取れたよ〜」と笑顔。

あぁ、確かに。
1日として同じ日はない。

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