爺ちゃんの自伝を出版しました(まえがき)
うちには、爺ちゃんの自伝がある。
私が生まれたのは田舎の小金持ちの家で、祖父はそこの帝王だった。
キツくなってくるので詳細は省くが、いわゆる田舎の家父長制ファミリーにありがちな闇エピソードにはだいたい既視感がある。(興味のある人は「膿家」で検索どうぞ……)
小金はあったが文化への感度は低く、図書室に入り浸る私に、積極的に本を与えるようなことはなかったように思う。のちに、祖母は私の高校進学に反対した。付き合った男性が長男か否か、彼氏の父親が長男か否かは重要な問題で、彼氏の実