多民族スクール 準備クラス 黒板のミミズ
ドイツの小学校は、4年生で終わる。
そのあとは進路に応じ、
大学を目指す子は12年生修了のギムナジウムへ、
事務職といった職業を目指す子は10年生修了のレアルシューレへ、
職人を目指す子は9年生修了のハウプトシューレへ、
それぞれ進学する。
しかしハウプトシューレを修了した子は、必ず職人にならなければならないかというと、そうではない。修了後レアルシューレへ編入し、引き続き学問を続けることは可能だ。
逆にギムナジウムへ進学しても、成績が優れなければ、レアルシューレに転校だ。同学年で一回留年ができるが、二回はできない。翌年も振るわなければ転校しなければならない。
留年も転校も多い。
50分バスに揺られ、娘と息子は学校へ行く。
ストライキでバスが来ないこと、先生の休みで授業がなくなることも、知った。
それにしても、トイレは朝から開けておいて欲しい。
さてさて準備クラス。
11歳の息子は最年少、一番年上の子は17歳だ。
クラスメートの出身国は、
シリア、ナイジェリア、イラン、ポルトガル、ポーランド、ブルガリア、フランス、ボスニア、アルバニア、などなど。
年齢も出身国も様々な多民族クラス。
日本人が外国に長期在住したとしても、国籍を変えることは少ないだろう。
しかし、難民や母国に仕事がなくドイツへ来た人たちの中で、ドイツ国籍を取得したい人は多い。
母国に帰るつもりがないのだ。
出身国と国籍が違うケースがあるので、多国籍ではなく、多民族という言葉を私は使いたい。
国籍を変えても、帰ることはできなくても、皆祖国を愛し、そこでの風習を大切にしている。
クラスメートが入学する日はバラバラだ。
出入りは激しい。
新入生はパラパラとやってくるし、突然母国に帰る生徒もいる。
当然ドイツ語力は違う。
横一列「せーの」といったスタートではないので、This is a pen. から授業は始まらない。
娘は中学校で英語を学んだ。
だが、その英語がどのくらい通用するかは想像に難くないだろう。
息子に至っては、A-Zさえも曖昧なのだ。
授業はドイツ語で行われる。
何一つ分からず、娘と息子は席に座っている。何一つだ。
教科書はない。
時としてプリントが配られる。
先生はあまり板書をしない。
板書してもこのような字だ。
クセがすごいんじゃ!!
つづく
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