挫折と希望しない進路に進むこと
6月くらいに大学院にアプライしてからもう4ヶ月以上経つわけだけど、いまだにグラナダ大学との戦いが続いている。7月末に条件付き合格の結果が来て、9月まで待って欲しいと言われ待っていたところ、9月に不合格と言われ、追加募集に再応募し、追加募集では元々応募していた国際関係のマスターが募集を辞めていたので、ラテンアメリカ研究に申し込んだ。昨日結果が出て、ラテンアメリカ研究は書類が足りないので不合格、もう一つ併願で申し込んでいたアンダルシアとアラブ文化というマスターに合格という結果が来た。
実際には書類は全て出していてそれを証明する書類もあるので審査プロセスの見直しを抗議中なのでまだどのマスターに進むかは確定しておらず、この決まるまでのプロセスについてはまた別で詳しく書くこうと思っているが、結果として当初の希望の国際関係からだいぶ離れたアラブ文化に着地しつつある。この長々とした大学とのやり取りと理屈が通じない窓口の対応に疲弊しつつあったこともあって、予想してなかったマスターに進むかどうかついて、ちょっと重い気分に最初はなっていたのだけれど、夜に紅茶を飲みながらゆっくりどうするのが正解なのかを考えていたら、こういう挫折があって希望しなかった進路に進んだことはこれが初めてでもないし、これまで結構それの連続だったように思う。そして、その希望してなかった道こそが今の自分の関心とか興味、そして人格を形成していることに気がついた。
高校の時、校内のオーストラリアへの交換留学制度の選考に落ちて、別の方法を探して留学機関を見つけたけど、時期が遅かったので英語圏の国が残っていなかった。それまで非英語圏への留学は全く頭になかったけど、パンフレットを見てみると50以上の国が載っていて、体験談を読むとなんだかどれも楽しそう。なんとなくヨーロッパに行ってみたいな、という軽いノリで第一希望として選んだデンマークに決まった。英語どころか主要言語でもない国で、デンマークのイメージも、その時に調べて出てきたレゴとか人魚姫のイメージくらいしかわからないままに留学したけれど、結果的に今では心の故郷と言えるくらい自分の大好きな国になり、その後の進路としてヨーロッパ研究を選び、卒論も修論もデンマークで書いちゃうくらい人生に影響を与えてくれた。多分デンマークに行っていなかったら、政治学を学ぶこともなかったし、今の仕事についていることもなかったし、全く違う人生になっていただろう。
そして、就職してからも今のところ、自分が希望として出したことは特に何1つ叶えられてはいない。大学の時に政治学の授業で2つだけ、アフリカの地域研究とラテンアメリカの地域研究を落としたのだが、一番最初の部署ではアフリカ関連の部署に配属され、そして今スペイン語を学んでいて今後はラテンアメリカに関係する仕事を担当する可能性がかなり高い。その時は全く関心がなかったし、配属が決まった時はなんでわざわざ関心を聞いておいて違うところに入れるんだろうと若干腹がたったけど、今は自分の関心を広げてくれて、新たな世界を見せてくれたことに感謝している。きっと自分が希望していることだけをやっていたら、アフリカに進出する日本企業についても、インド洋にセーシェルという小さな可愛い国があってそこにどんな産業があるかを私は今でも知らなかっただろう。学生の時に欧州研究をやっていた時に見えていた国際政治と、アフリカから見た世界の違いに気づくこともなかっただろう。スペインに留学に来なければ、南欧スペインからみたEUが、デンマークから見たEUとは全く違う姿に見えることを知ることはなかったし、スペインの中にこれほどに多様性のある文化があって、各地方が全く違う顔を持っていることを実感することはできなかった。
これだけじゃなく希望しない道に進む経験はたくさんあったし、今後もたくさんあるのだろう。でも、挫折することや希望しない道に進むことは、多分悪いことではない。むしろ、自分が希望している限りは選べない、新しい世界を開いてくれる1番の鍵こそが挫折なんだと思う。実際にアラブ文化研究のマスターの登録のために履修科目を選んでいたら結構面白そうな感じがしてきた。これが将来どのようにつながるのかはわからないし、つながらないかもしれない。でもきっと自分の一部となって、新しい場所に連れて行ってくれるような気がする。
記事を読んでいただきありがとうございます!日々の中で感じたこと、考えたことをつらつらと書きとめていきたいと思います。