旅先で都市と地方を考える
先日までちょっと研修というか視察というか、もっと正直に言うと気分転換の旅行に行ってきた。
道民の僕は他県まで行くには飛行機に乗らなくてはならないことから、国内とはいえ気分はいつも大旅行。いつも買わないちょっと高いお菓子も大旅行だからさらっと買う。
到着した空港から、街中までの移動手段、車窓から見える家と家の間隔、気づけば自分の住んでいるところと比べて楽しんでいる。
この通りは地元のあの通りに近いなあ。なんか空が開けてて住みたいなあ。近くにきれいな川があるぞ。スーパーが近くて便利。すぐ電車が来るって最高。銭湯通いをやってみたい。このお店で働きたいな。
なんてその町での暮らしを勝手に考えたりもしている。
経由で寄った東京で学生時代の同級生と飲んでいたら友人が「地元はなんにもないから帰りたくない」と言っていた。
そこに暮らしている僕としてはなんだかショックだった。
都市もいいけど、地方だって楽しいけどなあ。
なんで帰りたくないと思うんだろう。
僕は大自然の中で宿をやっていますが、都市の人混みもぎゅうぎゅうの建物群を歩くのも大好きです。
都市は新しいものがたくさん。文化も人もマチの形もどんどん変わる。
新しい何かとの出会いが続々と生まれるから退屈しない。最高に楽しい。
いつでも知らない何かがすぐそこにある。
でも毎日電車にゆられるのは疲れるし、人はたくさんいるのになんだか寂しい感じがするよね。
地方は空気や水、食べ物がうまい。協力し合って生活している分寂しくない。
小さなことでも自分のしたことの影響力は分母が少ない分大きい。いつも知っている顔がそこにある安心感。
でもすぐほしいものが手に入らなかったり、知り合いだらけで逆に疲れたりもするよね。
都市に地方に疲れないように、都市も地方も楽しめるように。ずっと両方を良い感じで行き来していきたいと改めて思う。
「このマチにはなんにもない」
そう言われて悔しかったけど、よくよく考えると、
地方に住むこと、都市に住むこと。
そんなの人によって合う合わないだ。
「田舎はなんにもない」
「都市はごみごみしている」
それは逆側がダメと言っているというよりは、私に合う、俺に合わないってだけだな。
そういう人もいる。じゃない人もいる。
それぞれ好きなところに住んだらいいと思う。
外からこのマチはなんにもないと言われるのは、合わないだけだ。
でも中からなんにもないと言ってしまうのはもったいない気がするな。
だってせっかく住んでいるんだから楽しまなくちゃ。
"なんにもない" は "知らないだけ"、そんな可能性もあるかもしれない。
どんなヒト、モノ、コトがあるか知ることで、そのマチにはなんにもないことにはならないはず。
ということで、旭川近郊の人にフォーカスを当てたwebマガジンをはじめたいと思います。
どんな感じになるかわからないけど。(言ってしまえばやるしかない)
そのマチの良いところを宣伝するというよりは、そこの人がなぜそこに住んでいるのか。リアルな部分を。進学の流れで、転勤で、なんとなく、友達がいるからとか。
どんなヒトがどんなマチでどんな思いで、働き、住んで、遊んでいるのか。地方が気になっている人にはもちろん、地元を知るために。
そうやって色んな人が見えるようになってくることで、良いマチだなってなってくるんじゃないかな。
せめて自分が住んでいるマチを少しでも誇りに思えるように。(そんなローカルメディアをすでに各地でやってきている先輩方、本当にすごいなあ)
ともあれ、旅行っていうのはやっぱり帰ってくるところがあるから楽しいのかも。
家がいちばん~と旅行道具の片付けをほっぽり出して寝るのが最高です。