「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから!」は危険!?【アドラー式子育て術】
今回のテーマでは「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」という言葉の危険性を掘り下げてお送りします。
そして、きょうだいの心のコップを満たすことの大切さについて述べていますので、是非最後までご覧下さい。
1.「お兄ちゃん、お姉ちゃんなんだから」はやめよう!
「上の子が下の子をいじめる」はどうしてなのでしょう?
親は上の子が下の子にやさしくなってくれたらと望んでしまいますよね?
下の子に対して手厳しい、おもちゃを貸さなかったり、遊びで手加減しなかったり、横取りしたり…
もっと兄(姉)として自覚して、下の子に譲ってあげれば、喧嘩が無くなると思うのに…
などよく聞きます。
そういった時に、親はどういった対応をするか聞いてみると
「お兄ちゃんなんだから、譲ってあげて」と言われること多いんじゃないでしょうか?
しかし、この「お兄ちゃんなんだから」という言葉。•••実は危険です!
いつも、上の子が親にそう言われたら、どんな気持ちになるでしょうか?
不満や不快な気分が強まります。実は、上の子はそういう気持ちを親に分かってほしいと思っています。
上の子は下の子が生まれると、それまで一心に注目してくれていた親が、下の子に注目が集まると、親にかまってほしくて赤ちゃんみたいな行動をとることがあります。
いわば「赤ちゃん返り」です。
「赤ちゃん返り」をする上の子の〈目的〉も「親の注目を得ること」
同じ目的を持つきょうだいは、一種のライバル関係でもあります。
上の子が成長し手がかからなくなったと思っても、子供はやっぱり親にいっぱい見てほしいし甘えたい気持ちもあります。
なので、上の子の気持ちも受け止めて、自分も愛されていると安心感を与えてあげましょう。
「上の子が下の子に手を出す」
↓
「親がきて怒る」
これを繰り返していると、上の子はこう学びます。
「下の子を叩けばパパやママが僕のところに来てくれる。親の注目を得たい時は下の子を叩けばいいんだ」
人は無視されるより、たとえ怒られてでも注目されたいものです。
普通にしていても注目されないと感じた子供は、「困った行動をしてでも親の注目を引く」のです。
親の注目が得られないと感じると、子供はどちらかの行動に出ることがあります。
・赤ちゃん返りをして親の注目を引く
・褒められるため「いい子」になって注目を引く
下の子が小さいと、ママやパパが手をかける頻度は、上の子よりもどうしても下の子の方が多くなってしまいます。
さらに、「お兄ちゃんなんだからしっかりして」
「お兄ちゃんなんだからおもちゃ譲ってあげて」
といつも言われたら、どうしても下の子を意地悪してしまい、親の注目を向けようとするかもしれません。
「お兄ちゃんなんだから」や「下の子をいじめると、親が怒ってこっちを見てくれる」
これを続けている限り、上の子は困った行動が止まらないと思われます。
ものすごく怒ったり、怒鳴ったりしたらやめるかもしれませんが、それは一時的。恐怖で動機付けられた行動は長続きしないです。
恐怖で支配は良くないですしね。
怒っても怒ってもやめない・・・さらに怖く怒るようにする・・・
すると子供は、ますます言うことを聞かなくなり、勇気がくじかれ、親子の信頼関係が徐々に崩れていってしまいます。
ではどうしたらいいか?
2.心のコップを満たしてあげよう!
「下の子を叩けば親が注目してくれる」
この反対をすればいいのですから、
下の子を叩いたときは、怒らず冷静に「危ないからやめてね」とだけ伝え、下の子を抱っこしてその場から離れてみてください。そしてしばらく、下の子の元にいます。
すると、「下の子を叩くと、親は下の子を連れて離れてしまう。そして、しばらく帰ってこない」
ということを学びます。
それからもう一つ。
上の子が落ち着いているときに、上の子を抱っこなどスキンシップ図りながら、
「いつも元気に幼稚園行ってるね」
「大きくなったね。元気に成長してくれてありがとう」
など勇気づけを行い、本題を伝えます。
「ママ(パパ)困ってることがあるの。○○(下の子)のこと叩くでしょう?ママね、みんな大切な宝物なの。あなただってママの大事な宝物。だから大切な人を叩いたり、傷つけたりするのは絶対いけないことで嫌なの。ママだってあなたが誰かに叩かれていたらとっても悲しいわ」
と優しく丁寧に伝え、最後に「聞いてくれてありがとう」と伝えます。
さらに普段から当たり前のような行動を、意識的に勇気づけすると、徐々に上の子の暴力が収まってくると言います。
子育てに絶対の正解はないですが、大切なのは子供に
「あなたのことをとっても大切に思っている」
ということが子供に伝わることだと思います。
お兄ちゃん•お姉ちゃんは生まれてからずっとママやパパの注目を得ていたのに、ある日突然、弟や妹が現れて、今まで一身に注目を受けていたのに、それが下の子にも注がれるわけです。
おそらく、とても寂しいのだと思います。
様々なことができるようになり、手がかからなくなったとしても、上の子も着実に成長しています。
その中の当たり前に出来ていることにも着目してみてください。
「靴はけるようになったのは知っていたけど、前よりも早くはけるようになったね」
「お着がえが前よりも上手に出来るようになったね」
「きれいにご飯食べれるようになったね」
など着目すると様々な面の成長が見つかるはずです。
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」しっかりできて当たり前だという風に考えるのではなく、日頃の当たり前にできている行動にも着目し、勇気づけてあげてください。
たとえ、小学校高学年、中学生、高校生になっても、親の勇気づけは大切です。
「あなたは大切な家族・仲間。いつでも応援してるよ」
ということが伝われば、子供の心のコップは勇気のエネルギーで満たされていきます。
すると、わざわざ困った行動をして親の注目を引く必要もなくなり、親子の信頼関係が結ばれていきます。
もちろん、下の子も同じです。
例えば、ママ(パパ)と上の子が話しているときに、何度も下の子が割り込むことがあるかと思います。
きょうだいは、ママやパパの注目という賞品をかけておのずと競争している面もあります。それだけ、ママやパパが大好きなんです。
下の子が割り込んできて困るというときは、
「今、お兄ちゃん(お姉ちゃん)とお話してるの。終わったらお話するからちょっと待っててくれるかな」
と穏やかに伝え、手を握ってあげたり、お膝に抱っこなどしてあげてください。
下の子が待っていてくれたら
「待っていてくれてありがとう」と勇気づけも忘れないようにしましょう。
このように、きょうだいそれぞれに勇気づけを行っていけば、心のコップが満たされ、お互いに手を挙げること等が少なくなってくると思います。
是非、一つ参考にして、実践してみてください ♪
以上「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからは危険!」でした。
最後まで、拙い文章を読んで頂いてありがとうございました。
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