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明晰夢を見たんだが…

アレハンドロ・ホドロフスキーの『リアリティのダンス』を読んで知った「明晰夢」と呼ばれる現象?体験?があります。

夢を見ている最中「これは夢だ」と気付くこと、それから、気付いてもなお夢が続く・気付いていながら夢を見ている状態、これらのことを明晰夢と呼ぶそうです。

ホドロフスキーは子どものときに明晰夢を見て、その後時間をかけて彼なりに明晰夢を探究していたようです。

彼が渡仏した後(だったと思いますが、読み返さないと若干曖昧)、エルヴェ・ド・サン=ドニという人の書いた『夢の操作法』という古い本のことを知り、ホドロフスキーは夢中になってこの本を読んだそうです。

こんなマニアックな本の日本語訳が出ている事自体が驚きですね。
丸善本店の怪しい本がギュッとまとまってる棚でこれを見つけて、結構迷いましたが僕も買って読んでみました。あんまりハマれなかったですが…。

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夢の中で夢だと気付いてそのまま夢を見続ける、そんなことができるの?と最初は思いました。ホドロフスキーのように明晰夢という呼び方を知るより前に体験によって知っている人もいらっしゃると思いますが、自分の場合はそういう体験や記憶がなく、本で読んでから興味を持ち始めました。

この明晰夢を見るための方法というのがいろいろあるようです。『夢の操作法』はその方法を著者の体験や実験を通して詳しく書いている本です。ネットで少し検索しても様々な方法が出てきます。

明晰夢について知って、「へー面白そう」と思って、自分でも見てみたいと思い、かじった程度の浅い理解でいくつかの方法を試してみた時期がありました。1年位前のことだと思います。
その当時は結局明晰夢を体験することはできませんでした。
まぁそのタイミングじゃなかったんだと思います。

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それでしばらくこの明晰夢というものについては知識としては覚えてましたけど、実際に体験する・理解するために取り組むという観点では完全に忘れてました。

ところが一昨日の夜、不意に明晰夢を見ました。

どんな夢だったかと言うと、こんな感じ。

寝室の隣の部屋(半分が自分の仕事用のデスクで、半分がリビング・ダイニングルーム。この、部屋や家具の位置関係は現実の住まいと完全に一致)の仕事机に座ってパソコンに向かっている自分。

なんだか視線を感じるような気がしてダイニングテーブルの上を見ると、薄暗がりの中になにかある。ダイニングテーブルの上を占領するようにそれなりに大きななにか、機械の塊のようなものが載っている。

部屋が暗いので詳しく確認しようと思ってもなかなか見えない。
その機械の塊のてっぺんには頭のようなものが載っており、光る目のような部品もある。この頭と目が左右に動いたり伸び縮みしているのがシルエット的に見て取れる。

詳しく確認するには部屋のライトを点ける必要があり、ライトのスイッチはダイニングテーブルの向こうにある。
機械の塊を横目に見つつ(ちょっと不気味で怖い)、スイッチに手を伸ばすのだが全然届かない。もどかしい。なぜかわからないが、テーブルより向こうに行けない。手だけ伸ばすが、スイッチには届かない。

そうしてもがいているとき、ふと気になって、隣の寝室を覗き込む。すると自分と娘と奥さんが寝ているのが見える。
ここで「ん?」と思う。

「これは夢だ!」と気付く。

「これは夢だ。前にいろいろ調べたことがある明晰夢だ」とさえ思う。

しかしその直後、寝室の中で寝ている自分の身体のほうに強力な力で吸い寄せられる。あまりに強力で全く逆らえない。夢の中の僕は、寝ている自分の身体にバキュームされてしまう。

夢の中で視点を持っている意識が、自分の身体の中に吸い込まれる瞬間は少し怖い感じがした。
暗闇の崖の上から黒くうねる崖下の海へ向かって背中から飛び込むような感覚だった。

2022-05-11 初明晰夢

自分の初明晰夢体験はこんな感じでした。
なかなか面白かったので note に書き残しておきます。

ちなみに、昨日の夜も「また明晰夢見れないかなぁ」と少し思ったんですが、普通の夢しか見れませんでしたw
「雨なのにシャツとかジーパンとか大きめの洗濯物がたくさん出ててちょっと困ったなぁ、と洗濯機の前で悩む」というあまりにも素朴で現実的な夢でした。そしてそれが夢だとは夢の中では気付きませんでしたw

SN

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