『僕と頭の中の落書きたち』孤独に生きる病と愛
こんにちは。映画『僕と頭の中の落書きたち』
私の感情が動いたシーンと見解をレビューしていきます。
彼を追い詰める"孤独"と"失望"。それを乗り越えさせたものは何なのか。そこにはあまりにもリアルな人々の葛藤が描かれていた。
誰にも理解されない苦しみ
理解をしてもらおうとする苦しみ
どうして自分だけ、なにかを手に入れればまた大切なものを失う。なにもうまくいかないことのもどかしさ。全てが不可抗力で絶望的な日々。
彼の希望を失った目が、悲しかった。
飲み込まれた感情の衝動的な行動で人を傷つけ、それがまた彼を傷つけるのではないかと怖かった。
誰が彼を救えるだろう。
そう思った時
いつでも彼を救ったのは彼自信だった。
自分で自分を傷つけては、自分で立ち直り自信を取り戻す。この繰り返しが実に現実的で人間臭い部分だった。しかしたった一人で乗り越えたわけではなかった。そこには大きな愛があった。
家族の支え、好きな人の支え。どの支えにも彼は答えられなかった。受け入れられなかった。反抗し拒絶し続けても、それでも見捨てず手を掴んでくれる存在が、そのありがたみが、余計に彼を苦しめた。
しかしその愛は強い。
どれだけの不安が彼を襲っても、「愛している」という言葉が、行動が、彼を強くする大きなクッションとなった。
彼が自分自身に打ち勝った時、そこにはいつでも愛をくれる人がいた。その愛があったからこそ、彼は自分に勝つことができた。
人はひとりでは乗り越えられない。
反対に、誰かに人生を変えてもらうこともできない。
でも支えてくれる存在が、信頼できる存在が、大きな勇気をくれる。
その勇気があってこそ、自分と向き合い、立ち向かい、挑戦することができる。
愛は偉大だった。
自分以外の誰かを変えることはできない。
しかし、人に愛を与え続けることが、変わらない場所で居続けることが、大きな勇気を与え、誰かを変える力になるのではないか。
愛が人を変える、一つの瞬間を見たような気がした。
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