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自分を愛おしく思える『インサイドヘッド2』

昨日は母と姉と、『インサイドヘッド2』を見に行った。

映画館に足を運ぶのは久しぶりだ。

そもそも映画を見る習慣がないから、映画館に行くこと自体、片手で数えられるほどしかない。


19:05からの上映は、お客さんもまばら。空調もほどよくて、なんだかとてもゆったりした気分だった。

ポップコーンとゼロコーラを片手に映画を見る。


それだけで、ヨロコビのテンションが上がっていたかもしれない。




『インサイドヘッド2』は、姉がお客さんに教えてもらい、気になっていた映画だ。


「頭の中のいろんな感情が、最初はやいのやいの言って喧嘩してるんだけど、最後はみんなで団結する映画」と教えてもらったらしい。


それを聞いたわたしは『脳内ポイズンベリー』を思い出していた。(見てはないけど。)

検索してみると、並べて考察しているブログがかなりでてきた。やっぱりコンセプトが似ているらしい。


年下の男性に好意を抱いたアラサー女子の心の中で、理性、ネガティブ、衝動、ポジティブ、記憶が議論を続ける恋愛コメディ。真木よう子、西島秀俊など豪華キャストが共演。

30歳で独身のケータイ小説作家いちこは、知り合った7歳年下のイケメン、早乙女に対して胸がときめく。そんな彼女の脳内では議長でもある男性“理性”のもと、“ポジティブ”に考える石橋と“衝動”を重視するハトコがいちこは彼に話しかけるべきと主張。一方、“ネガティブ”に考える池田は反対し、いちこの“記憶”を知る岸さんは中立的な態度。その後もいちこがどう行動すべきかをめぐって彼女の脳内では争いが繰り返される。

WOWWOW『脳内ポイズンベリー』解説


『脳内ポイズンベリー』の脳内に出てくるのは、理性、ネガティブ、衝動、ポジティブ、記憶。主人公は30歳の大人。

一方『インサイド・ヘッド』に出てくるのは、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ。主人公は11歳の女の子だ。

そして『インサイド・ヘッド2』では主人公が13歳となった姿が描かれる。思春期の感情として加わったのは、シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシの4つ。


個人的には、『インサイド・ヘッド』に出てくるのが原初的な感情で、それらが発端となって生まれるのが『脳内ポイズンベリー』にでてくる大人の思考かな?と思う。




映画を見た帰り道、「『インサイド・ヘッド』の1も気になるね」と、話しながら帰ってきた。

思春期の感情が登場する前の5つの感情が人のデフォルトの感情ってことなのかなぁと。


映画の2が始まる前は、テレビで1が放映されることが多い。もしかしたらやっていたのかも…。と、『土曜プレミアム』を自動録画にしているわたしは、帰ってきて録画リストを確認してみた。

そしたら、あったのだ!!


そのまま3人で見てしまった。わが家は昨日、『インサイド・ヘッド』2本立てだったのである。


『インサイド・ヘッド(1)』を見ると、よりわかりやすい。


主人公のライリーが赤ちゃんのところからはじまり、最初に登場するのがヨロコビだ。


きっと、誰もがそうなんじゃないかと思う。


「人は母親のお腹の中にいるとき、完全に満たされた状態にいる」ということから考えても、ヒトはヨロコビで満ち足りた状態からはじまるのだろう。


母親の中にいれば、カナシミとは無縁だ。イカリも、ムカムカすることも必要ない。完全に守られているから、ビビリなんて感情が生まれるはずもない。

母親の中から外に出てきてからが、人生のサバイバルだ。

ヨロコビで満たされていない状態を取り戻そうとする過程で、さまざまな感情が生まれていく。


だけど、母親のお腹の中に戻ることはできない。それはつまり、完全にヨロコビだけで満たされた状態になることは、もう二度とないことを意味する。


それを知り、良い意味で諦め、あらゆる感情の存在を認め、上手に付き合っていくことが、人生ということなのだろう。




「イメージしていたよりもリアル」

それが『インサイド・ヘッド』の感想だ。

子供に見せておくべき映画だろうなと思う。深いところまで分からなくても、意識の片隅に置いておけばきっと役に立つ。

保存庫に記憶しておけば、感情が誤作動を起こしたとき、自分を客観視するヒントになるだろう。


もちろん、感情をこじらせた大人にもおすすめだ。

思考の成り立ちにどんな感情が関わっているかを知ることで、自分がわかるようになると思う。




『インサイド・ヘッド』ではヨロコビが主導権を握る。だけどわたしの場合は、ダリィな気がするし、姉はカナシミかもと言っていた。

キャラクターを自分に当てはめて考えてみると、自分が愛おしくも見えてくる。

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