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幼き日の姉とわたしといじめの話

姉から「ごめんねぇ…」とLINEがきた。

昨日わたしが書いたブログを読んでのことだった。

姉は昔、姉の表現を借りて言うと「屈折」していた。親に気持ちを無視され、型にはめるようにしつけられてきたからだ。

そのフラストレーションを、姉は妹のわたしにぶつけていた。


姉はとても記憶力の良い人で、幼いころのエピソードを鮮明に覚えている。

昨日はブログをきっかけに、わたしがいかに「姉に従順だったか」という思い出話になった。


姉いわく、わたしは姉のお気に召すように、すごく気をつかっていたらしい。姉がお気に召さないときは「はい!はい!」って言うことを聞いていたと。

そのエピソードで思い出すのがごっこ遊びで、そのころ『キャンディキャンディごっこ』をやるのが定番だったようだ。


わたしは「お姉ちゃんの好きな役でいいよ」って感じだったらしく、姉はわたしにキャンディ役をやらせ、自分はフラニー役を選んだ。

ふつうに考えると、主人公のキャンディ役を自分が!となりそうなものだけど、そこが姉の言う「屈折」したところなのである。


『キャンディキャンディ』は人気アニメだったと思うし、「そばかすなんて気にしないわ」からはじまるメロディは今も耳に残る。だけど、ストーリーの記憶が全くと言っていいほど・・・ない。

今調べてみると、キャンディは純粋な愛されキャラで、フラニーはちょっと屈折した感じ。正義感が強すぎて周囲から嫌煙されるようなキャラだ(たぶん)。

キャンディの看護学校の先輩にあたり、ふたりはルームメイトでもあった。


子供ながらに『キャンディキャンディ』を見ると、おそらく厳しいフラニーがキャンディをいじめているようにも見えただろう。

だから姉は、わたしをキャンディ(いじめられ役)にしてストレスを発散したかったのかもしれない。ということになる。


わたしは言われた通りの役を一生懸命にやり、「違う!そうじゃなくて!」と言われれば直し、いじめられ役が上手くなっていったらしい。笑

あまり覚えていないのだけど、自分の姿を想像したら吹き出してしまった。それにしてもその従順さ、今は皆無だ。


でも今、改めてフラニーの発言を見ると、それがイジメではないことがわかる。しかも父母に虐待を受けて育ったという過去がある。

そんなフラニーの発言は、姉の心の声を代弁するものだったのではないか、と今思う。

いじめたかったのではなくて、フラニーの言葉に乗せて自分の気持ちを吐き出したかったのではないかな?と。


姉は当時を振り返って言った。

「嫌いじゃないのに、腹が立つみたいな、そんな葛藤があったのかも。いじめても全然スッキリしなくて、自分のことが嫌いになるばかりだったと思う…」と。

そもそもわたしは、ほとんど覚えていないし気にしていない。嫌われていた感覚はあったし、いじめられた記憶もあるのだが、それで心を病むようなことはなかった。

むしろ姉のほうが傷ついているようにも思う。

そう言うわたしに対し「そういう子であってくれて、自分はどれだけ救われてるだろうって思う」と言ってくれた。


今は姉と、仲の良い姉妹である。

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心乃泉
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