文字起こしAIを悩ませた「ぐずもず」
「ぐずもず」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
わたしの母が幼少期、母親に言われて嫌だった言葉だそうだ。
わたしは今、わが家の『家族会議』の録音を起こし、noteに連載として掲載している。
その文字起こしは、「聞いて書き起こす」というアナログ方式で実行してきた。しかし時間をとられ過ぎるため、文字起こしAIを試してみることにした。
使ったのは<Notta>という文字起こしソフト。
AI要約機能が付いているのが特徴で、会議の記録などをまとめ、報告するときに便利だと思う。
わたしは文字起こしさえできればいいものの、試しに要約してみたら、その賢さに驚いた。
要約からキーポイントまで、わが家のぐだぐだの会話が見事、簡潔にまとめられているのだ。
AIってホントすごいんだね・・・。
ちなみに文字起こしの精度はというと、ちょっとイマイチ。
話者を自動認識して切り替えてくれるはずが、話の途中で話者が変更されて別の人が話していることになっているから、修正が必要である。
でも、方言混じりなうえに聞き取りにくいことや、母とわたしの声が似ているという点でAIも混乱したはず。おそらく会議などの録音であれば、かなりの精度で文字起こししてくれるのではないだろうか。
冒頭で書いた「ぐずもず」は、文字起こしでは「葛モズ」とか「グッズもず」とかになっていた。
見たときは「なんだこれ?」ってなったけど、実際に録音を聞いてみたら「あぁ、ぐずもずかぁ!」と。AIも方言は難しいのだと納得した。
ちなみに「ぐずもず」は・・・
「いつまでぐずもず言ってんの」
「うちの子がぐずもずって~」
という風に愚痴をこぼすように使う。
ニュアンスでわかるが「ぐずぐずしてハッキリしない様子」を表す言葉だ。
この「ぐずもず」の「もず」ってなんだろうね?
なんて会話が録音のなかにあった。
そのままになっていたから検索してみたら・・・出てこない。
「ぐずもず」を誰も解説してくれていない!?
あれ?「ぐずもず」っておばあちゃん独自の表現なの?
そう思って調べると、これか?という答えにたどり着いた。
東北弁の「ぐずらもずら」。
祖母はおそらくこれを、略して使っていたのだろう。
意味は「ぐずぐず」と同じだから、間違いないと思う。
父も母も岩手県の同じ町出身だけど、父は聞いたこともなかったという。
検索して出てこないことからも、東北弁としてもスタンダードではないのだろう。そんな言葉をAIに正確に文字にしてもおうなど、それは無茶な話だった。
どうしようもないわが家の家族会議記事を読んでくれるみなさま、いつもありがとうございます。ちょっと気持ちが重たくなる内容が多いのにもかかわらず、継続的に読んでくださる方もいて励みになっています。
明日からまたAIの力を借りつつ、わたし独自の視点で家族会議を分析していきます!