人を育てる自然保育⑫ 雑巾をかける
雑巾をかける
こどもたちは毎朝登園すると、園の中を雑巾がけをします。
労働であるとともに手足の発達を促すために。
雑巾を絞るだけでも、両端を強く握り、両手を逆方向に回さないといけません。
ここにも発達段階が見えて
最初はなかなか難しく雑巾はベチョベチョのままです。そんなときは保育者が年長の子が親たちが手を取ってサポートします。
未満児から入園している子どもにとっては物心ついたときにはやっていた雑巾がけ。
小さいときにはゆっくりしか進めません。
当時の年長さんや学童さんが応援し、目の前で、一緒に進みながら声をかけてくれて、やり切っていました。
今は、誰にも言われずに雑巾がけを始める。
むしろ、声をかける方。
年上の子にしてもらったことを、年下の子に返していくこの姿はこの園の積み重ね。
判断する力
子どもたちは雑巾がけをしていて反対方向からきた仲間に出会うとじゃんけんをします。
負けたほうが道を譲る。
ただ、ゆっくりとでも真剣に雑巾がけをする小さい子や発達特性を持った子の場合には、何も言わずに道を譲ります。
「今はじゃんけんで決めるときじゃない」とちゃんと判断できる、その力をちゃんと持っているんです。
余裕を持つために
また、その力は、思う存分遊び、やるべき労働をやり通してからしか発揮できません。
仲間への思いやりは、サポートするこどもに余力がなければ難しいです。
その力をつけてくれている園に、遊びもしっかりと遊び抜き心に余裕がある環境にしてくれている園に感謝がいっぱいです。
今、日常生活でも余裕がないこどで追い詰められている気がします。
大人も子どもも。余裕がないと自分も相手も気づかえない。