人を育てる自然保育⑦ー1 運動会
やりきった息子はまた一つ大きくなった。
何から話してよいかわからないくらい濃い運動会だった。
徒競走
競争で折り返すところはみんなで決め、そこまで走りきって折り返してくる脚力。
大きく広がったように走る息子に、あとでまっすぐ折り返しの木までいかなかった理由を聞くと「ぶつからないように抜くため」と考えて走った答えが返ってきた。
障害物
まず斜めの平均台を一歩一歩確かめながら登っていく。
これは斎藤先生の本にも出てくるが、発達していないと難しく、日々の裸足での生活でバランスを取る力がついているかが見える。
息子は手をつくことなく前を向き登っていった。日々の生活でバランスに自信もついているのか笑顔。
高い場所での景色を楽しんだあとはそこからジャンプ。
怖がることもなく力強い。
その後は、リハでやり直していた逆上がりを一発で決めた。
歴代一番高い上り棒を手の力足の力で精一杯登る。
リハでは保育者の補助をしてもらっていたが、何度も止まりながらも上についた鈴をリンと鳴らした。
ただ、のぼり棒で力を使い切ったため、戸板を超えることができない(でも笑顔)。
何度も助走をつけるが、あと一歩足が上がらない(でも笑顔)。
疲れて手を引き寄せることができていないのがわかり、もどかしい。
何度も走り込む息子のお腹を、背中を、保育者は何度もさすって、待ち続けてくれた。
最後、足がかかったとものの超えられず落ちそうになったとき、保育者が息子のお尻をそっと支える。
押しはしない。支えるだけ。
息子はそこからぐっと手を寄せ戸板を超えた。
保育者はフォローはしたが、最後まで息子が超えるのを信じて待ってくれた。
その保育者の姿勢に、息子の姿に、涙が滲んだ。
順番に障害物を超える仲間を待つ息子たち。
一番手に飛び出した子、
高さという恐怖に立ち向かい、超えた子、
みんながトライするのを待ち続け最後にすっと背筋を伸ばしてスタートした子。
1人1人するから時間はかかるのに、みんなとても素敵で見たいところがいっぱいあってあっという間だった。
みんなが集まると手をつないで大縄を通る。
リハではなかなか息が合わなかったけど、当日が一番あっていた。
最後はグループごとに大玉を転がす。勝ち負けじゃない、ゴールしたみんなが笑顔だった。
リズム
リズムは、これぞ年長。
寒くもなく暑くもないちょうど良い気候の中、飛び出し、大きく走り回るこどもたち。
しなやかで自由に走り回る。
側転で拍手を貰えばすごく誇らしげで、音楽をしっかりと聞きそれに合わせて動く姿はとてもきれいで。
小さい子と合同でリズムをするときには気遣いながら。
玉入れは親子競技なのに「大人チームには負けない!」と大人と戦う気満々の子どもたちにたくましさに驚く。
縄跳びでは音楽に合わせスタートし大きくただ走っているように縄を飛び走る。
どこを見ても息子が大きく見えた。
1つ1つ、ぐっときて目に焼き付けました。
跳び箱
跳び箱では、もっと段数があればもっと跳べそうなほど勢いよく超えていく息子。
難しい子もチャレンジしたいという意欲は強い。難しくても何度もチャレンジする。
OBの力強い跳び箱を始めてみて大きく口をあんぐりあけて驚く子どもたち。
卒園しても背中を見せてくれることがとてもありがたい。
素敵なことを見つけられる力
また、学童や大人の姿を見て「あの父さんのリズムが素敵だった。あのときのあの子が素敵だった」と素敵なところを見つけられる息子にまたひとつ嬉しくなる。
ここまで、この保育園で育てて本当に良かった。
ここから卒園までまたきっとぐっと大きくなる。
私に何ができるだろう。
息子にどんな姿が見せれるだろう。
斎藤先生の「あすを拓く子ら」には素敵な子どもたちの姿が見られます。
年長の運動会、卒園式を知ってほしい。
こどもの発達を考えるきっかけになればと思います。
写真は運動会のときのコスモスじゃないけど。コスモスを見かける度、看板の下できれいに咲いていたコスモスを思い出します。