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(新シリーズ)言葉よりも伝わる⁉ やる気を引き出す『伝え方』の工夫
今回から新シリーズとして
『中高生のやる気を引き出す心理技術』
をスタートします!
「頑張れ!」「やればできる!」
そう声をかけても、子どもはそう簡単に『よし、頑張る!』とはなかなかなりません。そんなに簡単だったらこんな記事要りませんね。
実は、子どもがやる気になるかどうかは、「言葉そのもの」よりも「伝え方」による影響が大きいのです。
「なんで言っても伝わらないんだろう?」と感じたことがない人はいないでしょう。
今回は、「言葉以外の伝え方」に注目しながら、子どものやる気を引き出す方法をご紹介します!
1. 口調や表情が「やる気のスイッチ」になる
同じ「頑張れ!」でも、伝え方ひとつで子どもの反応は大きく変わります。
例えば、指導者が「声のトーンを低く抑えて、腕を組んだまま」言うのと、「明るい表情で、背筋を伸ばしながら」言うのでは、受け取る印象がまったく違います。
〈実際の場面では?〉
ケース1:部活の試合前、緊張している子どもに声をかける場合
✖ 「落ち着いてやれよ」(無表情で腕を組んで言う)
→ 子どもは「ミスしたら怒られる」とプレッシャーを感じやすい。
◎「大丈夫、大丈夫! いつも通りでいこう!」(笑顔で肩をポンと叩く)
→ 言葉よりも「安心感」が伝わり、リラックスしやすくなる。
つまり、「どんな言葉をかけるか」よりも、「どんな雰囲気で伝えるか」がやる気を引き出すカギになります。
考え方のヒント:
子どもに何かを伝えるときは、言葉の内容だけでなく「口調」「表情」「姿勢」にも気をつけることで、より効果的に伝わります。
2. 子どもは「見られている行動」を真似する
中高生は、親や先生、コーチの行動を無意識のうちに見て、影響を受けています。
つまり、「やる気を出せ!」と言うだけでなく、大人が「自分自身がやる気を持って取り組む姿」を見せることが、子どものモチベーションにつながります。
〈実際の場面では?〉
ケース2:塾で「もっと勉強しなさい」と言いたくなるとき
✖ 「ちゃんとやれよ」(スマホをいじりながら言う)
→ 「先生もやる気がなさそう」と感じてしまい、響かない。
◎「先生も一緒にやるよ! じゃあ10分だけ集中してみようか」(先生も机に向かう)
→ 「大人もやっている」と感じることで、子どものやる気が高まる。
親が子どもに勉強をさせたいなら、スマホを見ながら「やれ!」と言うより、一緒に本を読んだり、仕事に取り組む姿を見せる方がずっと効果的です。
考え方のヒント:
「やる気を出せ」と言葉で伝えるより、「やっている姿」を見せることで、子どもは自然と動き出します。
3. 「ポジティブな環境」を作ると、やる気は自然と高まる
やる気は「子ども本人の問題」と思いがちですが、実は「環境」によっても大きく左右されます。
〈実際の場面では?〉
ケース3:宿題をやらせたいのに、なかなか始めないとき
✖「早くやりなさい!」(いきなり強く言う)
→ 反発して「今やろうと思ってたのに!」とやる気をなくす。
◎「お母さんも横でちょっと仕事するから、一緒にやろうかな?」(落ち着いた雰囲気で声をかける)
→ リラックスした雰囲気の中で、「じゃあやろうかな」と自然に動きやすくなる。
考え方のヒント:
「やる気は命令で生まれるものではなく、環境で引き出される」。
「頑張りたくなる雰囲気」を作ることで、子どものモチベーションは自然と上がります。
まとめ:やる気は「伝え方」と「環境」で引き出す!
今回ご紹介した3つのポイント:
1. 口調や表情が「やる気のスイッチ」になる
2. 子どもは「見られている行動」を真似する
3. 「ポジティブな環境」を作ると、やる気は自然と高まる
やる気は「言葉で引き出すもの」ではなく、「伝え方」や「環境」が大きな影響を与えるということを、ぜひ覚えておいてください。
「何を言うか」よりも「どう伝えるか」。
「やる気を出せ」と言うより「やる気が出る雰囲気を作る」。
この2つを意識するだけで、子どもが自発的に動きやすくなります!
次回予告:ご褒美の使い方ひとつで、子どものやる気が変わる⁉
やる気を引き出す方法として「ご褒美」を使うことがありますが、実はやり方を間違えると逆効果になることがあります。
次回は、「子どものやる気を長続きさせるご褒美の使い方」について解説します!