実母の言葉 「失礼しちゃう」について
このnoteでも書いてきたように、夫は最近まで、私に対するモラハラ行動があって、今もその片鱗が残っている。
つい先日のこと。私たちが結婚した当初には、夫はまだノイローゼだったことを夫本人から聞いた。
釣りが好きなのに、なんで結婚してすぐの頃はやっていなかったのかという話題からそんな話になった。
過去にノイローゼだったことは結婚前から聞いていたのだが。
私にはかつて「人生は苦労しなくてはいけないもの」という異常なまでの思い込みがあり、夫のことはごく普通の人ではなく、ちょっと大変かもしれないと気づきながらも、あえて結婚したのだった。
モラハラ対策カウンセラーのJoeさんは、「ちょっと危険な人を助けたい」という私のような精神状態を「ボランティア精神」と表現していた。そして、Joeさんは“ ボランティアをしようとは思っていたけれど、思ったより大変だから、そこまではできない、ということがあってもいいのだ ”とブログで書かれていた。今の私は、夫へのボランティアをもう降りよう、全部やめるのが急に無理ならほんの少しならやってもいい(現に今もやってるし)という気持ちだ。
そんな私なので、結婚のときに、実はノイローゼだったと聞いても、「あっそう」「それはそうだろうね」程度で、あまり引っかかりはなかった。
でも、母にたまたまこの話をしたら、母はちがった。聞いてすぐ「失礼しちゃう」と口から言葉が出ていた。
母からしたら、ノイローゼという万全ではない状態で、自分の娘と結婚したことが「失礼しちゃう」ことなんだな。
結婚したら、夫は妻や家族のためにがんばってくれる、自分もがんばる、というのが母の考え方なのだろう。
私はとっくに、そういう感覚をなくして生きていた。
ちなみに母はいつも夫に会ったら優しくしている。だから、母のことを夫の個性(というかワガママ)を理解してくれている一員のように感じることもあったけれど、やっぱり母は、モラハラの枠内には入っていない人だった。
母の「失礼しちゃう」という言葉。これを聞いたときに、なんだか溜飲が下がった。
確認しなかったけど、母は、夫がノイローゼという万全ではない状態で結婚をしたことに「失礼しちゃう」と言ったのだろう。
好きでノイローゼになる人もいないし、よくよく考えたら問題をはらむ発言だけれど、私の心の中にもやはり「失礼しちゃう」に近い感覚はあった。だから、母の「失礼しちゃう」を聞いて、なんだか嬉しかったのだ。
夫は結婚するとき、「これからがんばり続けます」って感じだったから。それが、すぐに崩れてしまったことは、残念だった。
そんなにダメなら、ダメな態度をとってくれていたらよかったのに。変な人だったけど、わたしには好感が持てたから、結婚までしたのに。
初めての結婚生活、初めての妊娠と子育てのときに、モラハラが始まっていて、キツかったよ。モラハラについての情報も少なかった。
わけもわからずに、よくがんばってた27歳から30歳ごろの私が、実母の親バカ発言(?)で救われたというか…そんな感じ。
モラハラのひどい状態は抜けたとはいっても、まだ私も、モラハラ被害者らしい考え方は残っている。
自分からは「失礼しちゃう」は出なかった。
常に「自分が結婚相手を選んだ」「自業自得」ととう気持ちが、張りついている。
でも、自分で選んだ相手が、思ったとおり、あるいは思った以上に自分にプラスになる人もいるのに、私はなんで「自分で選んだ」ことを「幸せになれなくてもしかたない理由」のように思うのだろう。
まだまだ、自分の考え方は変だということに、母の言葉から、気づかされた。
私の考えは、だいぶおかしくなってるところがあるから、「私ではない人」になったつもりで、夫のことを大目に見るのをやめていきたい。