精神疾患の予防 発達障害の二次障害を予防する①
看護師 山田祥和
私は精神医療に携わって20年以上経ちますが、その中で思うことは、精神疾患の中には「予防できる疾患」があるということです。
もちろん遺伝的なりやすさや、生まれてきた環境など自分ではどうすることもできないこともありますが、ある程度の知識と対処方法を持っていれば、予防できる精神疾患はあるとおもいます。
特に、発達障害の二次障害による精神疾患(うつ病、不安障害、適応障害などなど)は予防可能です。むしろ予防しなければなりません。
発達障害を抱えていると、空気の読めなさやミスなどで、周りからバカにされたり、怒られたりして育ちます。自尊心が低下して二次障害を発症しやすくなります。
ですので、周りの理解が得られ、自分の特性をわかっており、ストレスに対処する力が備わっていれば、二次障害を防ぐことができます。
私たち訪問看護の目標としているところは
①精神疾患を予防すること
②精神疾患を抱えていてもこころよい生活ができること
です。
②の精神疾患があってもこころよい生活の提供は、現在訪問看護で生活全体を見ながら支援しています。
①に関しては、積極的に地域に出て、正確な知識の普及活動を行っています。
また、発達障害の子どもの支援も積極的に行っています。二次障害を起こさないためにも、生きにくさに対しての工夫やストレスを受けた時の対処方法など、早い時期から支援しています。関わりの中でSSTなども行い、家族支援も行っています。
社会のルールや挨拶、遊びや対話を通して家族以外の人も信用できる存在であると認識してもらうように意識しています。
その中で二次障害を起こさないように強みを見つけ、自信がつくように、そしてストレスを適切に対処できるような支援を行っています。
訪問看護は住み慣れた場所で個別に支援できるので、発達障害の二次障害を予防する上で非常に有効だと感じています。
発達障害の二次障害を予防するための具体的な支援方法としてはまた次にあげたいと思います。
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