9エリクソンの発達段階論『壮年期』


 今回はエリクソンの発達段階論『壮年期』について投稿します。壮年期は40〜65才頃です。壮年期では、「世代性」と「生殖性」の発達が重要です。前の世代から引き継いだものをたくさん持ち、自分の生きた時代のものを新たに付け加え、それを次の世代に譲り渡していくということで世代性を生きることができます。また、生殖性とはものを新たに産み育て、時代を継続していくという意味です。

 過去に家庭や職場などで、前の世代から学んだことを活かし、引き継いで子どもや孫など次の世代へ伝えていけば、「世話」の能力を得ることができます。壮年期後半では孫の子守りを任されることもあり、次の世代と関わるきっかけになることで、精神の健康にも繋がります。
 しかし、世代の繋がりを持たなかったり、次の世代のことに興味がなかったりなど、自分の世代のことだけ考えていると「停滞」と呼ばれる状況に陥ります。先人から物事を学ばずに新しい時代を築くことは出来ません。次世代に何を残すか意識した生き方ができていないと、自分が存在する意味が分からなくなってしまうこです。

 さいごに今回の内容をまとめると、壮年期の心理社会的危機いわゆる発達課題は、「世代性」vs「停滞」です。次の世代を育てる時期である壮年期は、子供を育てたり、自分が今までで培ってきたものを次世代に伝えることで、「世代性」を生きることができます。しかし、次世代とのかかわりが少ないと「停滞」し、何も生み出さなくなってしまいます。生き生きと壮年期を生きている人は、前の世代から引き継いだものをたくさん持ち、自分の生きた時代のものを新たに付け加えているのです。

 次回は、エリクソンの発達段階論『老年期』について投稿します。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 参考文献・Webサイト
・佐々木正美,『子どもの心が見えてくる』,2021年,KTC中央出版
・多湖輝,『子どもの心理法則』,1996年,株式会社ごま書房
・https://bsc-int.co.jp/media/4231/

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