10エリクソンの発達段階論『老年期』


 今回はエリクソンの発達段階論に「老年期」について配信します。老年期はおよそ65歳以降です。多くの人が退職し、子育てを終え、老後の生活を始める人が多い時期です。
 そんな老年期の心理社会的危機、いわゆる発達課題は「自己統合vs絶望」です。

 人生の意味を見い出し、うまく折り合いをつけ、前の世代から次の世代へと伝承する大切さを実感します。壮年期までの発達課題をクリアしていれば、老年期で「英知」を獲得できます。英知とは、内容や意味が奥深い道理を、知りうるすぐれた知恵のことです。英知を獲得できれば、想像していた人生と違っていたとしても、「自己統合」という自分の人生の意味を見い出すことができます。
 一方で、前の世代から受け継いだもの、次世代に残せるものもないと、自分の存在意義を確認できず「絶望」に陥ってしまいます。
自身の死に直面しても、人生には意味があったのか納得できず、死を受け入れられなくなります。つまり、自己統合できなければ人生は絶望に終わってしまうということです。

 さいごに、今回の内容をまとめると、エリクソンの発達段階論における「老年期」の心理社会的危機、いわゆる発達課題は『自己統合vs絶望』です。自分自身の人生の意味を見出す事ができれば自己統合でき、出来なければ、絶望に陥ってしまいます。

 これまで8回に渡り、エリクソンの発達段階論について投稿してきました。次回からは、教育や社会について、投稿します。また、大学の宿題の関係で2週間ほど投稿をお休みさせていただきます。
 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 参考文献・Webサイト
・佐々木正美,『子どもの心が見えてくる』,2021年,KTC中央出版
・多湖輝,『子どもの心理法則』,1996年,株式会社ごま書房
・https://bsc-int.co.jp/media/4231/


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