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たった1つの問題に苦しめられた女性の症例

「心のストレッチルーム」前田泰章です😊

当ルームのカウンセリングは、話を聴くだけではない問題解決型です。

📢このnoteでは、日本ではさほど主流ではない「問題解決型カウンセリング」をより多くの方に知ってもらいたく、情報発信をしています。

今回のnoteは、依存傾向の強い方は必見!

カウンセリングでは、人やものに対して依存傾向が強いクライエントさんに、「全体から見る視点を鍛えるワーク」という心理療法をおこなうことがあります。

このワークは僕のオリジナルで、開発に至るにはあるクライエントさんの症例がきっかけになりました。

今回のnoteでは、「たった1つの問題」に苦しめられた女性の症例を、ご紹介いたします。

1つの問題で頭がいっぱいという方や、人やものに対して依存傾向の強い方には、解決の切り口になると思います。


★採血恐怖症に悩まされる主婦Aさん

40代のパート主婦Aさんは、人間関係、家族、仕事には何の不満もありませんでしたが、

唯一、「採血恐怖症」に悩まされていました。

「採血するかもしれない」と思うと、どうしても病院に行くことができず、健康診断にも行けません。

採血恐怖症が改善できれば完璧な人生なのに・・・
と悩んでいました。

きっかけは、5年前。

ある病院で採血をしたところ、気分が悪くなって、気を失ってしまったことがありました。

それがトラウマになり、それ以来、病院に行けなくなってしまったのです。

問題は明らかでしたので、注射や血に対する恐怖心を取り除くイメージ療法や、催眠療法、記憶を修正する方法などをおこないましたが、一向に改善しなかったのです。


●採血恐怖の背後にあったもの

するとあるとき、Aさんから、
「実は私、アルコール依存かもしれません。家族に隠れて昼からビールを飲むこともあります。多い時には、ワインを3本空けてしまうこともあります。でも止められなくて・・・」

と告白されます。

Aさんの母親もアルコール依存症で、しかも血液の癌で亡くなっていたことがわかりました。

「私も母と同じアルコール依存症。だから、同じように血液の癌で死ぬのではないか・・・」

という恐怖が、Aさんに採血恐怖を引き起こしていた可能性があるとわかりました。

すると、そのころから、採血恐怖の症状に改善が見られるようになります。

病院に行き、採血できるようになったというのです。


●採血恐怖が改善した理由

なぜ、突然、採血恐怖が改善したのでしょうか?

それは採血恐怖だけではなく、アルコール依存という新たな問題が表面化したからです。

「問題が増えたのに、なぜ改善?」

と不思議に思われるかもしれませんが、これは採血恐怖とアルコール依存という問題が2つになったことで、問題意識が分散されたのです。

実際に、話す内容もアルコール依存のことが増えました。

Aさんにとっては、アルコール依存のほうが、採血恐怖とくらべて深刻な問題として浮かび上がってきたからでしょう。

なぜならば、このままの生活が続けば、大切な家族や人間関係など、築きあげてきた日常生活を壊してしまう可能性があったからです。

その結果、

「採血検査ができなくて困る」
「病院に行きたいのに行けない」

といった問題も小さくなり、

「もしかしたら病院へ行けるかも」
「採血できるかも」

といった前向きな心境になり、行動につながったのだと考えられます。


●Aさんの本当の問題

Aさんの本当の問題は、「問題が1つしか表面化していなかったこと」だったのです。

この、「たった1つの問題さえなければ」という問題を抱え、カウンセリングを受ける人は少なくありません。

「電車にさえ乗れれば」
「血圧さえ病院で測れれば」
「人前で話すとき緊張さえしなければ」
「親との関係さえ改善できれば」
などなど。

今回の症例とは少し違いますが、依存症もそうですね。

・ギャンブル依存
・買い物依存
・アルコール依存
・恋愛依存
・セックス依存・・・

1つのことに意識が向かい過ぎています。

その報酬として、脳への一時的な快楽を得ることができます。

けれども、1つの問題にとらわれすぎると、かえって症状を悪化させることがあります。

または、心の奥底に本当に取り組むべき問題を封印しているケースや、この程度の問題は問題ではないと自分自身に言い聞かせているケースもあります。

Aさんが本当に解決しなければならなかった問題は、採血恐怖ではなく、Aさんの母親も抱えていたアルコール依存と向き合うことだったのかもしれません。


●視点を変えた問題解決法

この記事の冒頭でもお伝えしましたが、カウンセリングでは、人やものに依存傾向の強いクライエントさんに、「全体から見る視点を鍛えるワーク」という心理療法をおこなうことがあります。

このワークではまず、

・いま、何にとらわれているのか?
・いま、どんなことを考えすぎているのか?

という現状を把握します。

依存傾向の強い人は、生活のなかで1つの問題にとらわれていると思いがちですが、

「1つの問題にとらわれているわけではない!」
と客観的にわかるだけでも何かが変わります。

人には、誰でも悩みや問題がいくつかあるもので、それが普通です。

時期や環境によって問題が変わるということもありますよね。

「全体から見る視点を鍛えるワーク」は、心の中がたった1つの悩みでいっぱいだと思う人に、ぜひ一度試していただきたい心理療法のひとつです。

案外、本当に取り組むべき問題が表面化されていないこともありますので。
(前田泰章)


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