コミュニケーションの裏話④ コミュニケーションスキルの落とし穴
ご覧いただきありがとうございます。
働く人の心の悩み相談室 代表
NLPトレーナーの淺野高広です。
過去3回にわたって、より良いコミュニケーションの取り方についてお伝えいたしました。
・コミュニケーションの裏話①
心との関係はコチラ
・コミュニケーションの裏話②
頭と言葉の不思議な関係はコチラ
・コミュニケーションの裏話③
あの有名なコミュニケーションスキルはコチラ
なのに、それでもコミュニケーションの落とし穴があるとはどういうことなのでしょうか?
今回はコミュニケーションスキルを学んだ後、または良いコミュニケーションが取れた後に実際に起こった出来事をもとに、知っておくと役に立つご注意点をお伝えします。
1.コミュニケーションを取り続けていたのに起きたこと
うまく行っている皆さまには、あまり関係ないことかもしれません。
少し心配な方やコミュニケーションを探求されたい方向きに書いてます。
①知らず知らずに相手にラベルを張り付けてしまう
●ラベルとは →
(無意識に決めた相手のイメージ、レッテルをここではラベルと表現しています)
仕事場でコミュニケーションが良くなったり、または再構築した後何ヶ月か経つと起こり始めることがあります。
それは何か?
こんな例があります。
例1
ある会社でコミュニケーションスキルを学んだ社員が、実践に活かして人間関係の再構築もうまくいき、良い関係にどんどん変わっていき、離職も激減し生産性が上がり出しました。
そして、いい感じで進み、お互いに言いたいことも言える理想的な関係にまで変わっていたのですが、そこから何ヶ月か経つと次第にこんな言葉がでるようになりました。
「○○さんは、結局、私の意見を聞き入れないんです」
「○○さんは、この仕事では、いつもまかせっきりで何もしてくれません」
「○○さんは、この件に関しては、とても頑固なんです」
仕事で頻繁に顔を合わせていれば時々このような声が出ることもあります。とはいえコミュニケーションが良い時は、相手を尊重しながら進むので問題ありません。
ところが数ヶ月も経つと、さらにこのように変わっていきました。
「○○さんは、意見を聞かない」
「○○さんは、何もしてくれない」
「○○さんは、とても頑固」
と、相手に対して無意識にネガティブなラベルを張りだしたのです。
②ラベルとコミュニケーションを取り始める
ネガティブなラベルを張り出した後こうなりました。
「○○さんは、意見を聞かないから話してもしょうがない」
「○○さんは、何もしてくれないからお願いしない」
「○○さんは、とても頑固だから言っても意味がない」
とイライラするようになり、ついに会話中に「○○さんは、言っても意見を聞いてくれないじゃないですか?」と、ぶつかり出しました。
③コミュニケーションに歪みが起きる
ネガティブなラベルを張っていると、ネガティブなイメージが思い浮かんだり、その時の言葉を思い出したり、嫌な感情がよみがえってくることも多々あります。
適切な判断にも影響を及ぼしたり、コミュニケーションがまた悪くなっていくことにつながりかねません。
④目の前の相手に張り付けたラベルがはがせなくなる
これがコミュニケーションの落とし穴
相手にネガティブなラベルを貼ってしまう。
そして、その相手と話すときネガティブなラベルのフィルター通して、コミュニケーションを取ってしまいます。
もし相手が何かを学び成長しようとしていたり
変わろうとしていたり
頑張ろうとしても
こちらがフィルターをかけていると、そのことに気づきにくくなります。
学園ドラマなどでよく出てくる、「先生は僕たちを色眼鏡で見てくる」というようなことと似ているかもしれませんね😊
お相手が関係を改善したく、せっかく自分のコミュニケーションを変えようとしていてもフィルターを通したまま見られていれば何をやっても意味がないと感じてしまい、
もとの良くない状態に戻ってしまったケースもあります。
2.常に良いコミュケーションを取り続けていくためのポイント
どのようにすれば落とし穴に落ちずに、良い関係を保てるのでしょうか?
実例を載せておきますので、ご参考になれば幸いです。
*ネガティブなラベルは仕事の状況によっては必要であったり参考になるかもしれませんが、ここではいったん置いておきます。
簡単なやり方をご説明します。
NLPではエンパワーメントというものがあり、原因側に自分を立たせる考え方があります。それを活用していくやり方です。
[やり方]
1 、原因側に自分を置いて、どのようにすればより良くなるかにフォーカスをあてます。
2、お相手とのコミュニケーション時に、目の前にいる人の言葉や声を聞き、しぐさや立ち振る舞いを観察することに集中します。
3、そして、今の目の前の相手を意識します。
これだけです。
こうすることで、過去のネガティブなラベルに引っ張られなくなり、目の前で起きている今のできごとに意識が向きます。
そして、ここから丁寧にラポールを再構築していきます。
なぜ、これだけで解決できるのでしょうか?
ネガティブなラベルに引っ張られているときは、無意識に自分の中で過去の記憶をたどり過去の相手のネガティブなイメージを思い浮かべていると考えられます。
頭と心が今ココにいない状態と言えるかもしれません。
ですので、目の前のお相手の「今」を丁寧に観察することは今のお相手を見て聴くことにつながります。
そうすることによって今のお相手のわずかな変化も受け取りやすくなります。
3.実例
何人かに実践してもらったのですが、仕事場でのコミュニケーションが以前よりも円滑になったり、良い状態を継続させることにつながり、また、こじれたときの修復が簡単になっていきました。
4.活用のポイント
・職場でのコミュニケーションの維持に
・職場での定期的な面談時
・定期的に会うお相手とのやり取り
・関係を再構築したあとの継続
・・・等々
他にもたくさん役立つ場面はあると思います。
今回はコミュニケーションが良くなった後のポイントをお伝えしました。
もしもの時のご参考になれば幸いです。
これでコミュニケーションのお話は完結です。
4回に渡ってお話しした内容は、実際の経験から学んだことをNLPコミュニケーションスキルと合わせてお伝えいたしました。
NLPコミュニケーションスキルを、より効果的に使っていただくご参考になれば幸いです。
コミュニケーションの裏話シリーズ。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
《引用、参考》エンパワーメント : NLP-JAPANラーニングセンターを参考にしています。
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