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なくなりそうでなくならないものの本の話

何を読んだらいいかわからない、と言ったあなたへ、私の好きな本の話をしよう


暑いと言わない、と決めたのに、暑いというか熱い日々が続いていて、ぐったりです。本当に災害級。
熱害、という言葉が車関係であるらしいけれど、そのうち気候とか食物生育関係などでも意味を持つ日が来るのではないかしら?
少しでも穏やかな夏になりますように。

「綺麗ね」
妻は夫の腕にすがりながらうっとりとそう言った。
「あなたみたいに上手な説明はできないけど、とにかく、綺麗ね」

Ⅸ ラヴ・ソング 「永遠の森 博物学惑星」菅浩江 

この本、実は大昔にラジオドラマをやっていて。
ちゃんと聞いたことがなかったけど、タイトルが素敵すぎてずっと覚えていたの。
その後ずっと読んでいなかったけれど、ある時ふと思い出して探して読んだら。もう、なんで早く読まなかったかな、というくらいだった。

ある博物館学芸員を主人公に、そこで起こるさまざまな事件やらエピソードやらをまとめた小説。
SFなのだけど、SF的要素の断片は、今ならとても飲み込みやすくなっているものもあるんじゃないかな。

この世界の学芸員は、手術によってさまざまなデータベースに直接接続して、イメージを思い浮かべただけで検索ができるようにしているひとが多い。これ、手術まではしなかったとしても、似たようなことはそのうち出てきそうだよね。
ちなみにそこに至るまでにはいろいろ歴史があったようで、ある短編にはその技術の「とある過程」のひとのことが描かれていて、ちょっと胸がいっぱいになったのだけど。
そのほかにも「左腕に巻いたリストバンドから折りたたんだフィルムモニターを取り」出せたり、いろんな技術が確立されている。

そんな、私たちの今より数歩ほど進んだ世界であっても、変わらない仕事もある。
見ると音が聞こえる、と言うひとがいる絵の謎を解明したり、時にはどうやったら開花するかわからない植物の研究をしたり。
美というものについて、素晴らしい芸術というものについて。
そしてご夫婦の関係も、だったりとかして。

AIが台頭してきている今だからこそ、人間が持つさまざまなものを大切に振り返ってみる機会にもなりそうな小説だと思う。

ちなみにこんなSFな小説なので、ためしにはやりのチャットGPTさんに聞いてみました。

「博物館惑星」について説明してください。と。

「博物館惑星」は、2019年に日本の鎌倉にオープンした施設で、そのコンセプトは独創的であり、宇宙や自然、科学に関する展示が豊富にあります。この施設は、通常の博物館とは異なり、多くの展示物が仮想現実(VR)を駆使して体験できるようになっています。そのため、訪れる人々はリアルな体験を通じて、知識を深めることができます。

chatGPT

だそうで。
もちろん鎌倉にそんな施設はなさそうなんだけども。実は小説読んだ?みたいな回答だった。
こういうのはおもしろい。

あなたが最近見た美しいものはなんだったかな?
暑いけれどこの夏も、たくさん美しいものを見たいな、と思うんだよね。

ではでは、またね。

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