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「共感力」にどうにも共感しきれない自分【万華鏡】
マガジン「万華鏡」への投稿は2度目となります。
今回のお題は「共感」について。
「共感」と聞いて、誰かが語るものが「それわかるー」「だよねー」と思うことが「共感」だと思っていました。
そして「共感」をネットで検索したら、その結果の多いことに驚きました。
そう、私が知らないうちに「共感」は言葉の一大勢力になっていたわけです。
言葉にはいくつもの種類があると考えます。
国語辞典に載っているような内容と、何かの学問などで使われる限定的な意味を含むものと。
「共感」はどうやら、その限定的な分野で大活躍の模様。
ぐーぐる先生に「共感とは」と聞くと、以下が出てきます。
他人の考え・主張に、全くそうだと感ずること。その気持。同感。
私が思っていたものとだいたい同じです。
ところが傾聴にまつわる話で、「同感」は自分がどう感じるか、「共感は」相手がどう感じるのかがわかること、というようなものを見かけました。
この話でいうと、私が思っていたものは「同感」の方に近いようです。
あれ、なんとなく混乱……。
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それどころか、いろいろ見ていくうちに、「共感」は「力」を得ていることもわかりました。そう、「共感力」という言葉です。
「共感力」は上記の流れでいくと当然ですが、「相手がどう感じるか察したり、それに寄りそう力」ということになっています。ここでの「力」はスキル、とも呼ばれていたりします。
ここまでで皆さんは何を思われたでしょう?「共感」が「力」を持つことは当たり前だと感じられましたか?「共感力」なんて言葉は、普段の生活、ビジネス、子育て、あらゆる分野で当たり前に聞くよね、って感じなのでしょうか?
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ぶっちゃけて言いますと。
私は「共感力」なんて言葉が一般的になっていることは、ちょっと怖いなーと感じました。
それは「共感」なんて、目的でも手段でもないと思うからです。それは結果の一つです。
「同感」と「共感」の違いはなるほど、と思えるのです。右に同じ!と自分が完全に同意することと、自分が同意する、しないに関わらず、相手がそう思っているんだな、と思うことの違いにラベルを貼ったのだな、と。「同じ」なのと「共にする」の分け方かな、と。
もちろん、自分の気持ちに寄り添ってもらえることは、とてもありがたいことだと思います。それでしか救われないときもあるのだと思います。特に自分が疲れていたり、壊れていたりする時には。
でも、それはあまりに常習性の強い「毒」ではないかと、私個人は恐れています。だからこそ、「共感力」という言葉でその能力が高い低いと言ってみたり、それを「手段」の一つとして使われることは、しっかり学んだ専門家にお任せしたいところです。素人が手を出す範疇ではない。
誰かが自分のことをわかってくれる、自分の気持ちに寄り添ってくれることは、柔らかいぬるま湯につかっている状態のように感じます。ぬるま湯が悪いのではなく、ぬるま湯「ばかり」なのは、なんだかつまらないように感じてしまうのです。
最近の私は、それを誰かに求めるのではなく、そもそも自分が自分の気持ちに寄り添いたい、自分のことをわかりたい、そう思っています。それはぬるま湯ではなく、自分が決めた適温のお風呂のような気がするからです。
と言って、誰かとのコミュニケーションにおいて、相手がどう思うか考えない!そんなものは不要だ!ということではないのです。
もちろん相手がこうなのかな、と感じることはあるでしょう。しかしそれが全くの誤解で一つもあっていないからこその辛さもありますよね。
私は相手に認識しておいてほしいものは、自分で相手に渡していきたいと思っています。
「私はこれが苦手」「こういう状況はとても辛い」「これが好き」「こういうことはとても嬉しい」
察してもらうことを否定するわけではなく、といって察して待ちではなく。大切なことは言葉にして伝える。それが必要なことだと感じます。
本当に「共感力」が高い人は、自分の本当の気持ちをないがしろにせず、自分の状況や思いを明文化することができる。それによって自分を労わり、自分を大切にできる人なのではないでしょうか。
そう思ってしまう私は、世でいうところの「共感力」というものにはどうにも共感しきれないみたいです。
ということで。
ふとした思い付きを、ここまで読んでくださってありがとうございました。
暑さは一息、でも台風が絶妙な猛威を振るっているこの頃です。
ぜひ、少しでも自分を労わる時間を多めにとってお過ごしくださいね。
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