マッサージ治療院の使い方~あん摩マッサージ指圧師にできること
あん摩マッサージ指圧師、マッサージ治療院は
【話を聞き、触ることだけで病態を把握し、有効と思われる施術をする。
それに限らず、日常生活の指導などにより症状の改善を目指します。】
リラクゼーションとは根本的な目的が違います。だから「国家資格」が必要なのです。
病院、医師にしかできない治療もあれば
マッサージ治療院、あん摩マッサージ指圧師にしかできない治療法もあります。
現代(西洋)医学と東洋医学は決して敵対ではありません。共存すべきものという理解がもっと広まり、それぞれが自分の状態に合った適切な治療法を選べるようになるといいなあと思います。
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以下 ↓
小難しい説明
あん摩マッサージ指圧師が治療を行う上での基本的な考え方
〇現代医学的な考え方
「現代医学の知識や技術」と、「あん摩マッサージ指圧師ができる診察法」を活用することによって、障害の部位や病態、重症度などを明らかにし、施術を行うことです。
痛む場所に障害があるとは限りません。あん摩マッサージ指圧治療は、診察により原因となる部位を明らかにし、刺激量・施術部位・患者の状態などを考慮して施術しなければ、目的とする治療効果を得ることができません。
ですから、施術部位を決定することは特に重要であると言えます。
〇東洋医学的な考え方
東洋医学の根本的な考え方は
●人体を巡るもの(氣血水など)が滞りなく隅々まで行き渡り、臓腑などが正常に機能し、陰陽の調和をはかる(バランスをとる)こと
●自然治癒力を活発にさせること です。
どこかで流れが停滞したり、調和が乱れてバランスが崩れると非健康状態になります。
西洋医学にも「薬物療法」と「物理療法」があるように
東洋医学にも「薬物療法」と「物理療法」があり、あん摩マッサージ指圧は物理療法に含まれます。
臓腑・経絡の異常を東洋医学的診察法で診て、
疾病の治療・予防を目的として「押し・引き・揉み・撫で・擦り・叩き」などして施術します。
あん摩マッサージ指圧治療の流れ
1・診察
〇現代医学的な診察
問診にて、正確な病歴を聞き、症状の分析を行います。症状を的確に把握できたら、症状に応じて必要な診察をし、患者の訴えの原因となる障害の種類、部位、病態、程度などを推定します。
特に問診は重要で問診のみで患者の異常な状態を把握できることが多いです。
〇東洋医学的な診察
望診、聞診、問診、切診を行います。
特に切診は重要で、患者の身体に触れて状態を観察し、全身状態を把握することができます。
このように、あん摩マッサージ指圧治療を行う際には、現代医学的、東洋医学的な診察を踏まえて、総合的に治療の考察を行うことが重要なのです。
2・あん摩マッサージ指圧治療を行うのがよいのか、医療機関に紹介すべきかの判断
例えば、あん摩マッサージ指圧で効果が期待できない重篤な疾患に対して、いたずらにあん摩マッサージ指圧のみを行い、現代医学による効果が上がる治療期間を逸することがないように、常に患者にとって最善策をとらなければなりません。
あん摩マッサージ指圧治療を行う場合は治療方法、治療間隔、効果判定を行うための治療期間の設定、生活指導などの治療計画が立てられます。
3・治療
あん摩マッサージ指圧治療を希望する方は慢性的な疾患であることが多く、それらは心理的、社会的な因子が関わっている可能性が高いです。
疾病の改善、回復のためには、症状に応じて
安静、運動、食事、睡眠などの日常生活や、生活環境まで指導、援助をする必要があります。
患者と施術者の信頼関係が樹立されることによって、あん摩マッサージ指圧治療の効果が十分発揮できるようになることが多いのです。
*マッサージ治療論については「医道の日本社 東洋医学臨床論」という教科書を参考にしています。「治療」という言葉の使用についても、教科書の通りです。
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