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センリツ達は芝居を打ってカイザルを試している説【HUNTER×HUNTER 考察】
※最新号ネタバレ注意です(少年ジャンプ 2024年 46号より画像抜粋)
結論から
・センリツだけでなくカチョウやフウゲツも、まだカイザルを疑っている
・なので3人でひと芝居打ってカイザルを試そうとしている
・だからいきなり「ルズールスを始末する!」と性急な話をしている
・ルズールスは捕まえるだけ、どこまでカイザルが本気なのかカマをかけている
・カイザルはその芝居に気づいている、しかしツッコまない
恋人(センリツ)を信じているから
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……という説です
まずはこのコマ、センリツの個室にカチョウがいます、『2人きり』です
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カイザルは居ません、つまり
「フウゲツが何らかの攻撃(注射)を受けている」までは2人の本音です
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そしてカチョウの「心当たりはある!」というシーンを挟んで場面転換
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→ここからカイザルと会うまでに間がある
次はカイザルの部屋で『3人』でルズールス暗殺について話し始めました
ここからカイザルを試すための芝居の始まりです
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ここの作戦会議、最初から3人で良くないですか?
なぜ「カイザルが居るシーン」と「居ないシーン」に分けたのか?
カイザルもフウゲツを刺した容疑者リストから外せないからではないか?
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(週刊少年ジャンプ 2024年 46号 349p)
で、そんな信用ならない容疑者(スパイ)と
「王子殺し」なんて大仕事をやろうとするでしょうか?
実際は「ルズールスを捕縛して真相を突き止める」だけであり
その過程で、カイザルがどこまで本気なのかを試す芝居ではないか?
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例えば、センリツ達はマジカルワームの能力についてカイザルに嘘をついてます
予めマーキングする発動条件など無かったはず(…ですよね?)
(行ったことのない3層にワープしてミザイストムに保護されたはず)
これには2つの理由が考えられます
① そもそも信用してないから不便な能力だと思わせておくのが吉
② カイザルを試すためのセンリツ達のカマかけ
「まずカイザルに主寝室に向かってもらう」(まずお前にリスクを犯してもらう)ということではないか?
「どうだ?スパイのお前にそこまで出来るか?」とカマをかけている
公で怪しい動きを繰り返すのがスパイにとって一番苦しいわけです
できればフウゲツ達に先陣を切らせるのが理想ですから
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…と思ったらルズールスどころか全王子に対して強権を用いてでも僕が先陣を切る!
と言い出したから2人は驚いてカイザルを見つめてるわけです
だから芝居(騙せてるかどうか)の確認も含めてカイザルの心音を改めて調べたわけです
こんな腹の探り合いをしてるのに、暗殺計画だけは全てが本音という方が不自然だと思うのです
後から何でも理由をつけて「殺せなかった」「今殺るべきではない」と言い出せばいい
愛する人の仰せとあらばカイザルも即座に転進するでしょう
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私達がハッタリかましてる間にクラピカ何とかしてくれ!ということ
「カイザルはフウゲツが3層に出現したことを知ってるはず」
「なぜツッコまなかった?作者のミスか?」という意見をみかけました
自分の意見は
「カイザルはセンリツの嘘に気づいている」
「それでも恋人を信じている、理屈ではない」…です
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いくらでも危険を犯そう
最初から最後まで一貫して「恋人(センリツ)のために」でカイザルは動いてるから
嘘をつかれてもカマをかけられても心の動揺(ブレ)が一切みられない
だからセンリツはカイザルを騙せてると思い込んでいるわけです
…という説でした
…こういう仮説(発想)になったのは、やはり王子殺しを性急に感じたからでしょうか
確かに「殺らなきゃ殺られる」状況なのでセンリツ達はおかしくないのですが…
なんとなく「カチョフーとセンリツは綺麗でいてほしい」みたいな
読者としての甘えがあるんだと思います
【追記】気になった細かいポイントを紹介
① センリツの誘導
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「あー運び役がほしいなー(チラッ)」
「ガタイの良い頼れる男がいてくれたらなー(チラッチラッ)」
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「………!!」ガタッ
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(計画通り…!)
この前のコマでカチョウが「毒殺か絞殺すべきよ」と主張してるわけですが
それをやるつもりが無いからこそ、カイザルの事故死案を引き出したのではないか
最善は「事故死すらさせずに何とかする」つもりだと思います
ルズールスを殺したら死後の念で病状悪化する可能性を捨てきれないからです
実際カチョウは死後にフーちんに取り憑く守護霊獣だったのですから
そのことをセンリツが説けば好戦的なカチョウも非殺傷に納得すると思うのです
……やっぱり甘いでしょうか?笑
② 不自然な会話の流れ
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ルズールス王子が怪しいとカチョウが指摘するシーンなのですが
この会話、先にセンリツと個室で出来るはずなんですよね
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「心当たりはあるわ!ルズールスよ!これからカイザルの部屋で話しましょう」
…とはならないと思うんです
センリツ「ちょ、ちょっと待って!何でルズールスなの?」ってなるでしょう
【個室】
カ「心当たりはあるわ!ルズールスよ!」
カ「あいつクスリ捌いてるマフィアの元締だし!あいつの霊獣ならありうるわ!」
セ「仮にそれが当たってても王子には自覚が無いからねぇ…」
カ「うーん…どうすれば…とりあえずカイザルと一緒に話しましょうか」
【カイザルの部屋】
セ「…でね、さっきカチョウとも話してたんだけどね…」
普通こうなりませんか?
まぁ漫画的なお約束ってことで片付く問題かもしれませんが
台本を練ってからカイザルと話し始めた説と一致する流れです
③ カチョウの不自然なリアクション
右下のコマに注目
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「計画はあるわ!」と自信あり気に言っておきながら
1番肝心な潜入ルートについて考えてなかったガバガバすぎるカチョウ
それをセンリツにツッコまれた時の表情(リアクション)が…↓
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いやいや…(笑)そこは
「あっそうか…(しまった…!)」
って顔になりませんか?
更にセンリツが「フウゲツだけじゃ主寝室までいけねーぞ?どうすんだ?」
と痛いところを突いてるのに
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「そうね……(無関心)」
いや、おかしいでしょ(笑)
これは単に「カイザルは信用できないからマジカルワームの真価は伏せておく」
だけでは説明できません、計画自体が頓挫してしまうのですから
明らかに“カイザルに何とかさせる前提”で話を運んでるようにしか見えません
で、カイザルが動かなかったら暗殺計画自体を中止するつもりだった
だからこそこの薄い反応なのです
何が何でも暗殺するつもりならこんな態度にはならない
すなわちカイザルを試すための芝居だと思います
できるだけ情報を秘匿しながらカイザルにリスクを負わせようとしている
なのにカイザルは嫌がるどころか更にリスクを背負って走ってくれる
センリツから見れば「なんなのコイツ…?」となるわけです
カイザル…可哀想に…(笑)