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モレナがブチキレた本当の理由【HUNTER×HUNTER 考察】

…結論からいうと

「お前は“人間”か?」

それとも“肉”か?

と、ボークセンに聞かれたから

地雷

…という説です


まず、モレナの20年間の「肉」生活はどんなものだったのかを想像してみます

(週刊少年ジャンプ2024年52号355p)

理路整然とゲームの説明やすり合わせができているあたり
読み書きなど最低限の教育は受けていたと思われます

(週刊少年ジャンプ2024年51号419p)

その中で小さな娯楽として、ファミコンやカードゲームなどが与えられてたのでしょう
(スマホがある世界なのに旧世代機が並んでるのは幼少時代にやっていたから)

ただそれでも機種が古すぎるので、おそらく
カキン農村部は敵国文化の検閲が厳しいままなのだと思われます
マフィアになってオンゲーに触れた時は感動したでしょうね

「細菌」「感染」のイメージは「客を持て成す」過程で生まれたモノ
「レベルアップ」のイメージは「休憩中にやったゲーム」から生まれたモノ

(週刊少年ジャンプ2024年52号355p)

「肉」として家畜以下の生活をしている狭間で
孤児達とゲームで遊ぶ時間くらいは与えられてたのでしょう

モレナは仲間とゲームをしている時だけ
「人間」になれたのではないか

(週刊少年ジャンプ2025年2号352p)

ゲームでは、自分(プレイヤー)を平等に扱ってくれる

ゲームでは、自分(プレイヤー)が選択肢を持てる

ゲームでは、自分(プレイヤー)が目標を立てれる

これらすべて、糞溜め(カキン)には存在しない価値観です

(HUNTER×HUNTER カラー版 36巻)

ゲームはモレナを「人間」に変えてくれる魔法であり
それを疑うことは自分を「肉」だと認めるに等しいわけです

スマホが血を流している
ゲーム=生き物=人間性だと捉えている


ボークセン「あなたは本当に“人間”なの?嘘ついてない?」

いいえ、肉じゃないわ
私は人間よ

そりゃブチキレますわ…笑

ボークセン「……?」ポカーン
(週刊少年ジャンプ2024年51号420p)

モレナの1番やわらかい部分(地雷)をボークセンは踏み抜いたわけです
それでも表情1つ動かさずに丁寧に対応するあたり、モレナの聡明さと覚悟の強さが伺えますね


そしてモレナは運営者(為政者)としての顔も持っています

つまり、帝国主義国家カキンへのアンチテーゼとして
自由・平等・機会が許された仮想世界(ゲームアプリ)をぶつけようとしている
グリードアイランドならぬモレナアイランドを侵食させようとしている

それによってカキン帝国を滅ぼす

それがモレナ個人の目的(復讐)です

ただ、それではカキン帝国に勝つことはできません、何故か?

単純に、少数派(マイノリティ)だからです
ほとんどのカキン国民はボークセンのように日和見で生きているだけで
非日常(カオス)なんてまっぴらごめんだという人間が大多数です

(週刊少年ジャンプ2024年52号359p)

だからハルケンブルクとその支持者もギリギリな戦い方を強いられてるわけです

単純に、兵隊の数で押し負けてしまうのです

だから「目的」「人を殺したい奴なら誰でもウェルカム!」にまで広げて
こういったクズ↓まで歓迎することで、戦力を確保することにしたわけです

(HUNTER×HUNTER モノクロ版 38巻)

当然これは、モレナの本意では無いと思います

なぜか?

謝肉祭を楽しんでるクズも「仲間」になる余地を残してるからです

船内にも王族の血をひいた謝肉祭経験者と、それをサポートし
おこぼれを貰った国王軍や政府関係者がいるでしょう

(週刊少年ジャンプ2024年49号348p)

独立したメンバーゼロがそいつらを「仲間」に勧誘するパターンだってありうる
それで殺戮(ヒャッハー)を一緒に楽しむパターンだってありえます
もともと悪党なのですからマフィアと意気投合して何もおかしくない

その場合、モレナは黙認するしかありません

ボークセンと違って目的(人殺し)に忠実なのですから
(モレナ個人の目的のためにカキン関係者は殺す(仲間割れはOKだから)もありうるが
「じゃあカキン関係者やめま〜す(笑」とかなったら誓約的に苦しいのではないか)

モレナは唇を噛み切って歯を食いしばり、その元凶(クズ)を見逃すしかないのです

ゲームクリア(人類滅亡)するまでは

こういう副作用(リスク)も承知の上で、モレナは「人を殺す」目的を背負ったのではないか
本人にとって苦しいから制約と誓約になるわけです

だから「イバラの冠」をモレナは被っているのだと思います

(週刊少年ジャンプ2024年45号321p)

なぜ純粋な被害者であるモレナが、苦痛(イバラ)を受ける必要があるのか?

自分が罪を背負ってる自覚があるからです

それを贖う気持ちがあるから

そのモレナの本心に、ボークセンは気づいたのです

(週刊少年ジャンプ2025年1号306p)

自分はそう考えています


【12/14更新】
※上と下の画像に注目

『白』←     →『黒』
『自然界』←    →『人間界』

『白が自然界』で『黒が人間界』 『その境界線でモレナは綱渡りをしている』

…という風に読み取れます
「傷のおかげで自殺せずに済んだ」というセリフから
白は「生」で、黒は「死」でしょう

モレナにとって人間界は「真っ暗闇な死の世界」でしかなく
すべてをブチ破壊して「真っ白な自然に帰すしかない」ということ

しかしモレナはその“境界線(あいだ)”に立ってます、白側ではない

白くて綺麗なはずの自然界にもどこか負のイメージを持ってます

つまりこれ、モレナも人類滅亡に救いなど求めてないのだと思います
そんなことしても世界は残酷なままだということに気づいている

だから「この世の全てがどうでもいい」し「自分もどうでもいい」
モレナは自殺したかったのです

でも「傷」のおかげで、個人的復讐のために生きる気力が沸いてきたのです

“ひきつる”痛みが生を呼び覚ました

世直しなんてフワフワした目的のためには頑張れないけど
私を傷つけた奴等に復讐するだけなら、少しだけ頑張れるかも…

大好きなゲームで遊びながら

だから(イバラの冠)を被る覚悟ができた
傷(ひきつれ)によって復讐心が生まれなければ
無差別殺戮など決意できずにモレナは自殺していたのでしょう


…以上です、ちなみに今回の記事は
読者の方の考察(コメント)からヒントを得て書きました、載せておきます

kataのAoE対戦日記
2024/12/12 10:34

>この条件【C】…どこかヌルい気がしませんか?
モレナの人格、エイ=イ組のノリからして
「まず人を殺してみろ」とかにしないでしょうか?

モレナは母も自身も肉であることを強制されてきて、それでカキンを恨んでいるのですから他者には可能な限り強制しないのです。
この条件だけじゃなく全てヌルいんですよ
カードゲームではXという離脱を許すカードも含まれていますし、ゲーム中も常に嫌ならやらなくても良いということが強調されていますよね
キスをするのは能力発現の絶対条件の一つなのに拒否してもOKでした
さらに、なんとゲームでイカサマをしても念能力的にはYesを強制されるわけでなくNoを選択することもできるという寛大なルールなんです。
(Noを選べば殺すであって念能力で自動的に死ぬわけではない。実力のあるものならNoを選んでもその場を切り抜けられる)
さらに仲間になってもカキンを滅ぼすというモレナの目的のために動くことを強制されません。自分の目的のために動いて良いんです。つまり常に主体は子自身にあるということです。

モレナへの理解がだいぶ深まった気がします

…やっぱりHUNTER×HUNTERの考察って
何気ないツイートや書き込みで的を得てる人が多いんですよね
マクガイトなるみの翻訳だって急に有志がいっぱい出てきたわけですし(笑

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