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言いたいことが言えず、どうしたらいいのかわからない

自分の気持ちをご家族に伝えられなくなるのは、誰にとっても辛い状況ですよね。

特にガンや長期治療が必要な状況ですと、ご家族のサポートはとても大切になります。そのため、自分の気持ちや欲求を表に出すことが難しく感じられる場面も増えていきやすいものです。

さらに、ご家族に自分の気持ちや欲求を伝えた時に大きなため息をつかれたり、ドアをバタン!と強く閉められたりするような過去の経験がある場合はどうでしょうか。

言いたいことを伝えることに対して、また同じようにされたら・・・というような恐怖や不安を感じることもあるかもしれません。

実際その様なご相談を頂くこともあり、顔色を伺ってしまったり、「嫌われたらどうしよう」という不安があり言えない。。。という状況になっています。結果、自然と自分の気持ちを後回しにしてしまうことが増え、ご家族に本当の思いを伝えられなくなってしまうのですよね。


言いたいことを言えるようになったら

言いたいことを言えるようになることで、どのような変化が起きるのでしょうか?

まず、自分自身のストレスが大幅に軽減されると思いませんか?
ご家族にご自分の気持ちや欲求を正直に伝えることで、あなたをより理解し、より適切なサポートを提供できるようになります。

仕事の調整や家事の負担、お子さんがいればお子さんの対応をどう担当していくか?を話し合う機会が増えていきます。

また、精神的な支えをどのようにして欲しいかについて具体的に相談できるかもしれません。
例えば「私は本当は○○だから、●●をして欲しいのだけど、どう?」とように、ご自分の状況+して欲しいことを伝えるのです。
そうすることでご家族があなたの気持ちを理解する一歩となり、孤独感や無力感が少しずつ和らいでいきます。

さらに自分の気持ちを率直に伝えることで、自己肯定感が高まるという重要な効果もあります。

言いたいことを表現することで、「自分は大切な存在だ」「自分には価値がある」と感じることができます。

なぜなら、○○をして欲しいというように欲求を言葉にすることで、ご自身を肯定していることになるからなんです。
ご自分の気持ちや欲求を言葉にして伝えることは、あなた自身を大切にしているのと同じこと、と頭の片隅に置いておいてくださいね。



言わないことの肯定的な意味

一方で見落とされやすいのですが、言いたいことを言わないという選択にも、肯定的な側面があります。

あなたが言いたいことを言えないことの肯定的な意味は何でしょうか?

過去にご家族から大きなため息をつかれたり・・・というような、ネガティブな経験があることで、「また同じような反応をされるのではないか」と感じ、さらに自分の意見を言いにくいのかもしれません。

代わりに言わないことで、例えば、相手の機嫌を損ねずに済む。相手から無視されたり怒られなくて済む=ご自身の気持ちが穏やかでいられる。
相手からのすべてを受け入れた方が、相手が笑顔で過ごしてくれるので、それを見てホッとしたり安心する。

というようなことは、どうですか?

言いたいことを伝えられる方がもちろんストレスが減りますが、言わないことの方がいい。という無意識に持っているあなたの肯定的な意味に気が付くことも大切になってきます。


自分の気持ちを大切にする勇気を持とう

ガンや長期治療が必要な状況の中で、あなた自身の気持ちや欲求を大切にすることは、身体調子や心の健康や安定に影響する大きな要因。

では、どうすると良いのか?

まずは、ご自分の気持ちを大切にしてみましょう。

そのための小さな一歩が、あなた自身の気持ちや欲求をメモ書きしてみることです。単語でも短い文章でもOKです。
伝える前に、ご自身の気持ちにご自身が気が付いてあげることが大切。一度書き出すことで、脳は気持ちや欲求が肯定されたと思いラクになるのです。

そしてカッコよく完璧に書き出きだしたり、相手にカッコよくプレゼンのように伝える必要もありません。
わいてきたままの言葉を書き出して、相手に伝えるときも短くて大丈夫です。

*この方法は、病気の方以外に、言いたいことが言えないくてどうしたらいいかわからない人に向いています。

さらに大切なのは、もしあなたの気持ちや欲求を相手が聞いたのなら、ぜひ「聞いてくれてありがとう」と伝えることを忘れずにいましょう。
「ごめんね」「申し訳ない」ではなく、「ありがとう」を伝えるのです。

サポートする方にも気持ちや都合があります。
「ありがとう」を言われることで、「これでいいんだな」と肯定されたような気持ちになり、お互いが心地よくいられるようになります。


がんや長期治療が必要な状況は、心が疲弊していきやすいもの。
あなた自身があなたの心を大切にしつつ、これからを過ごしていくキッカケになれば幸いです。

何よりお一人で抱え込まず、心の専門家を上手く活用していってくださいね。あなたの心の健康を全力でサポートさせて頂きます。

患者さんとご家族が心穏やかになる かかりつけカウンセラー
岡田聡子



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