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がん治療中「一人の時間が不安で苦しい」:心を穏やかにするケア
抗がん剤治療を続ける中で、一人になると突然不安が押し寄せ、息が苦しくなることはありませんか?例えば、「この先どうなるかな」、「もしこの治療がうまくいかなかったら・・・」「これ以上悪くなったら」など様々な感情があるのではないでしょうか。
治療や子育ての合間の「一人の時間」は本来なら休息のチャンス。ですが、思いがけず心が不安に包まれてしまうこともあるのです。そうすると、さらに自分を責めてしまうことも・・・。
今回は、不安が襲ってきた時の具体的な対処法と、少しでも安心できる環境を整えるためのヒントをお伝えします。
1.自分を抱きしめ、心に寄り添う
不安がやってきた時、まず試してほしいのは「自分を大切な人として扱う」ことです。たとえば、誰かに優しくしてもらうように、自分に優しい言葉をかけてみましょう。
自分を両腕でそっと抱きしめる
胸や腕を「トントントン」と優しくタッチする
「うん、そういう気持ちになっちゃうよね」と心の中で自分に伝える
こうした行動は、自分の脳に「受け止めてもらえた」という安心感を届けます。不安を抑え込もうとするのではなく、一旦受け入れることで、少しずつ気持ちが和らぐことがあります。
また脳は、誰が言った言葉ではなく【言葉】として認識します。だからあなた自身が発した言葉も、【言葉の意味】としてとらえます。
どんな言葉がホッと安心できそうですか?あなたに合う言葉を探すのも、不安が軽くなる一つの方法です。
2.不安を予測して環境を整える
不安が来るタイミングには、何かしらの共通点があるかもしれません。例えば、子どもや夫が家を出た後の静けさ、夜の静かな時間帯など、特定の状況が引き金になることがあります。
私たちの脳は「静寂」を好まないため、静かな環境が心の不安を誘うこともあります。そこで、予測できる静寂をリラックスできる環境に変えることがポイント。
音楽を流す:心が落ち着く曲や好きな音を選ぶ
香りを楽しむ:アロマやお気に入りの香りを使う
照明を調整する:明るさを調整して心地よい空間を作る
カーテンを開けて光を取り入れる:自然光で部屋の雰囲気を変える
こうした工夫を生活の一部に取り入れることで、安心感のある時間が増えていきます。いきなりお部屋の模様替えは難しいことが多いですよね。今の状態でできるところから始める。それあと、ご家族にも協力を得ながら過ごしやすいリラックス空間を整えていくのはどうでしょうか。
3.不安への先回りを手放す
「また一人になると不安が来るかも…」と考え始めると、その考えにとらわれてしまうことがあります。「考えないで」と言われても、かえって気になってしまいますよね。それも実は脳の特徴なのです。
だからそんな時は、あえて意識的に別のことに集中する時間を作るのが効果的です。
あなたが好きなこと、心がホッとすることはどんなことですか?
温かい飲み物をゆっくり楽しむ
心が休まる読書や映画を楽しむ
体を動かす、ストレッチをする
ぬるま湯にゆったりつかる
どんな小さなことでもOK。
今この瞬間に集中することで、不安の波から少しずつ距離を置くことができます。
こうして好きなことをしていても、不安の波はやってくるかもしれません。その時は最初にご紹介した、「自分を大切な人として扱う」ことです。誰かに優しくしてもらうように、自分に優しい言葉をかけてみるのです。
状況や心の状態にあわせてミックスさせることで、より不安の波と距離を置くことにつながっていきますよ。
一人で抱え込まず、専門家に相談することも大切です。
不安が何度も続く時は、無理をしない。主治医やカウンセラーに相談することも選択肢の一つです。誰かに話すことで心が軽くなり、不安の根本に気づけることもあります。治療中だからこそ、心もしっかり休めることが大切。
夜も眠れるようになってくると、日中起きている時間の考えること・集中力・意識の向け方も変わってきますよ。
何より一人になった時の不安は、誰でも感じるものです。あなたの心が弱いとかそういうことではないのです。安心してください。
あなた自身を労わること。安心できる環境を整えることで、少しずつ心が穏やかになっていきます。
今日も頑張っている自分を、そっとハグしてあげるところから^^
あなたの心が今より楽に穏やかになるキッカケになりますように。
かかりつけナースカウンセラー
岡田聡子
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