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「次々とくる副作用に疲れた…」心と体をいまより楽にするケア

抗がん剤や放射線治療などは、心身ともに負担を伴います。副作用は治療を重ねることに出てくることが多いのではないでしょうか。

時間が経つごとに新たな症状が現れることもありますよね。まさに休む間もなく次の波がやってくる、そんな状態です。だから、「もうイヤだ」「どうして自分だけ」と思うのはごく自然なこと。

それでも、ご家族のこと、家のこと、副作用そのもののこと、あなた自身の社会復帰や予後なども考えてしまいますよね。
その時に、副作用と日常のバランスをどんな風にすると今より心が楽になれるのか?お伝えします。


1.家族との時間は「できること」だけで十分

治療中、思うように家事や育児ができず「申し訳ない」と感じてしまうことがあるかもしれません。ですが、すべてを完璧にこなそうとしなくて大丈夫です。小さな行動でも家族にとっては大きな意味があります。

例えば、食べ終えたお皿を流しに運ぶ、子どもの話をゆっくり聴く、ただ一緒に過ごす時間を持つ。それだけでも、家族はあなたの愛を感じ、安心できるのです。何気ない日常が、家族にとってかけがえのない時間になります。


2.副作用は遠慮せず相談しよう

治療がつらいときこそ、主治医や看護師に気軽に相談することが大切です。20年前と比べて、副作用を軽減するための薬やサポートは大きく進化しています。辛いなと感じる副作用を主治医や看護師に伝えると、より効果的に副作用への対応が可能です。

相談する際は、「いつ」「どのような症状が」「どれくらいつらいか」を具体的に伝えると、わかりやすくなります

たとえば、「朝は吐き気が強く、家事が手につかない」「夕方は疲れて動けなくなる」といった、日常生活における具体的な困りごとを話しましょう。そうすることで、医療者側もよりあなたに合うケアを提供しやすくなるのです。

特に外来通院で治療を続けていると、自宅に帰ってからの方が吐き気やだるさがひどくなる。数日ベッドから起き上がるのでも精一杯・・・。ということが何より辛い、と相談を受けたことがあります。
「耐えるしかない」と言われてしまう人も中にはいますよね。だからこそ、「いつ」「どのような症状が」「どれくらいつらいか」を具体的に伝えてみましょう。その症状がいまより軽くなる方法を医療者と共に探してみませんか?


3.心が折れそうなときは・・・

副作用が続くと、出口の見えないトンネルに迷い込んだように感じるかもしれません。何気ない主治医からの言葉や周りの言葉に、苦しさを感じることもあるかもしれません。そんなときは無理に一人で抱え込まず、看護師、カウンセラーといった専門家に気持ちを打ち明けてみませんか?

言葉がうまくまとまらなくてもOK!気持ちを話すこと自体が心の整理につながります。「これくらいで相談してもいいのかな?」と悩まず、つらい気持ちを吐き出して大丈夫なのです。少しでも心が軽くなれば、それが次の一歩を踏み出す力になりますよ。



治療の道のりは長く、不安や疲れで立ち止まってしまう日もあるものです。その立ち止まることは、前に進むための大切な一部ととらえてみる。
車はずーーっと走っていたらオーバーヒートして動かなくなります。人の心も体も同じ。ずーーっと頑張り続けていたら、オーバーヒートしてある日突然、無気力感やどうしようもないだるさがやってくるのです。

副作用には様々なものがあります。個人差もかなり大きい(出方がマイルドな方もいます)。だから、あなたが頑張りすぎてるな、つらいなという時は、『今はがんばりすぎないでも大丈夫。安心してね。』と、ご自身に伝えてあげてみるのはどうでしょうか。

周囲の人たちや家族のサポートと共に、少しずつ自分のペースで歩んでいきましょう。


かかりつけナースカウンセラー
岡田聡子


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