治療に「疲れた」、「やめたい」:心を休めるための5つのヒント
がんなどの治療は、最初は頑張れることが多いかと思います。
ところが、「頑張らなければならないと思うが、しんどい。治療をやめたいと思ってしまう」となる時期もあるのです。
このような気持ちの変化は、珍しいことではないのです。
頑張り続けるって本来は難しいもの。自律神経が乱れてしまいますから。
では、どうすると良いのか?
今回の内容がそのヒントになれば幸いです。
1. 自分の気持ちを受け入れる
まず、治療をやめたいと思う気持ちを否定しない。
これは自然な感情の流れだということを忘れないでくださいね。
なぜなら、頑張る=戦っている状態。
戦っている状態は自律神経がずーーっと活動しているのと同じ。
時には休みたい!と思うのです。
治療をやめたい=休みたい、というのは自然なことだと思いませんか?
こうして自分の感情を認めることが、前に進むための第一歩ですよ。
2. 何に疲れているのかを言葉にする
具体的に何に疲れているのかを一つずつ言葉にしてみませんか?
例えば:
治療の副作用による身体的な疲労
経済的な負担
家族の世話と治療の両立
治療の先行きに対する不安
などなど、色々出てくると思うのです。
これらを明確にすることが意外と大切ですよ。
言葉にすることで抱えていることが具体化され、解決への道筋が見えてくるキッカケになります。
3. 専門家や第三者に相談する
一人で抱え込まないことがポイントです。
正直、ご家族に「治療をやめたい」というのは勇気がいるのではありませんか?治療をやめる=命の終わりを連想しやすいため、大切なご家族にはなかなか言えないのが現実です。
そして、経済的問題、副作用、家族のケア、将来への不安などなど。
どうしても周りに言いにくいこともありますよね。
だからこそ、第三者に相談してみましょう。
主治医、カウンセラー、ソーシャルワーカー、がん患者会などで話してみるのはどうでしょうか。
専門家や第三者の視点を得ることで、新たな解決策や考え方、対応策が見えてくる可能性があります。
4.あなたの意思を大切に
どのような選択をしても、自分自身が納得することが大切です。
そのためにも、主治医との率直な対話は欠かせません。
現在の治療状況、今後の見通し、代替的な選択肢などについて、詳しく説明を受けましょう。
情報を集めるときは、ネットやSNSなどではなく、医師・看護師・薬剤師や患者会などから正しい情報を得ることがポイントになります。
5. 自己への思いやり
「頑張らなければ」という気持ちがあるから、悩んでいるのですよね。
でも時には立ち止まって休むことも大切。
自分の気持ちに正直になることも、とても大切なのです。
完璧を求めなくていいし、正解はありません。
だからこそ、周りに気を遣い、周りを優先するのを一旦やめてみませんか?
あなたの心と身体の状態を最優先にしてみるのはどうでしょうか。
この内容を書くときに浮かんだのは、血液透析を受けている患者さんのことでした。日常生活でもガマンがあるなか、週3回・1回4時間の透析を受けて何年も受け続ける・・・。命のためにとわかっていても、やはり疲れるんですね。
でも、透析をやめる=命の終わりに近づく。ということなので、「やめたい」と患者さんから言われても、「はい、そうですか」とは医師は簡単には言えないのです。
ある患者さんは癌も患ったことから、透析を辞めるための話し合いを何度も重ねました。ご本人の意思が固いことから、書面にサインをした上で血液透析を自ら終わらせました。。その方は、ホッと安堵したような、穏やかな表情だったのを覚えています。
治療を続けるか、方法を変更するか、あるいは別の選択をするか。
それは、十分な情報と支援を得たうえでの、あなた自身の選択と決断。
どのような選択をしても、あなたの人生なのです。かけがえのない時間を大切に過ごしてほしいな、と思っています。
いまより心を楽に、穏やかにしていくためのヒントは、こちらのメールレターでもお伝えしています。
いきなり気持ちの相談をするのはハードルが高い!ただ、心の専門家とつながっていることで安心感も生まれます。「いつでも何を話していいんだ」という場所があるだけで、心の力は抜けやすくなりますよ。
治療や経過に疲れたな、、、
そんな時にホッと心の力を抜ける場所として、お待ちしておりますね。
かかりつけナースカウンセラー
岡田聡子
<関連記事>