VOICE for FUTABA Season3 – Vol.2《起業家編》後編「双葉町のまちづくりの課題/今後の活動について」
双葉町で飲食店の出店計画を進めている山崎さんをお招きして開催しているトークセッションのVol.2。後編では、まちづくりに取り組む双葉町が抱えている課題や、双葉町の今後についてみんなで語り合いました。
双葉町のまちづくりの課題
小林 山崎さんはゼロからまちづくりを進める双葉町に魅力を感じて、出店と移住を決めたわけですが、実際に移住してからはどのように感じていますか?
山崎 私は「復興加速化元年」という言葉にすごく惹かれて、双葉町への移住を決めました。ただ、「復興加速化元年」という言葉どおりに復興が加速しているかというと、そこは疑問がありますね。
小林 そうですよね。僕は双葉町がスピード感を持ってまちづくりを進めるためには、行政がまちづくりのコンセプトを示すべきだと思っています。なぜなら、双葉町には現在、なにも産業がなく、人も少ない。そうしたなかで町の行政機関だけはしっかり整っているので、行政主導でまちづくりのコンセプトを提示すべきではないでしょうか。
髙崎 たしかに小林さんが言っていることはもっともですが、私は行政主導でまちづくりのコンセプトを提示してもらうのは難しいと思っています。民間主導で進めて、それを行政に支援してもらうのが一番良い形ではないでしょうか。
小林 例えば、隣町の大熊町ではいちごを一大産業にするというコンセプトでまちづくりを進めています。いちごが良いかどうかには町内でもいろいろ意見があるようですが、いちごでまちづくりをすると行政で決めたことで、いろんなことが動き出しています。いちごを産業として確立するには、農園をつくったり、ブランディングしたり、販促を行ったりと、さまざまな活動が必要ですから。
島野 URさんとしてはどう感じますか?小林くんが問題提起しているまちづくりの進め方については。
町井 小林さんが言っているように、行政がプランを示し、それをもとにみんなで議論していくのが、これからのまちづくりのあるべき形なのかなとは思います。しかし、双葉町がそうした進め方にすぐにシフトするのは難しいと思うので、私たちURが行政と民間の間に入って、上手くまちづくりのプランやコンセプトを固めるお手伝いをしていけると良いのかなと考えています。
清水 民間でやっていることを行政に知ってもらい、少しずつ巻き込んでいくことが大切なのかなと私は思っています。私たちが進めている「ちいさな一歩プロジェクト」も、町に役立つ活動をしていることを役場の職員の方々に知ってもらうことで、少しずつ協力いただけるようになってきています。
今後の活動について
髙崎 山崎さんは、今後の活動についてはどのように考えていますか?
山崎 私は双葉町に移住してまだ間もないので、まずは町民の方々としっかりコミュニケーションを取りたいですね。「ふたば飲み」というイベントで料理を提供しないかとお誘いいただいたりしているので、そうしたイベントでも多くの方と交流したいですね。
髙崎 私は今、双葉町で自然農法の野菜づくりをしようと考えています。人が12年間住んでいなかった双葉町の土地は、自然農法をするには最適なんですよね。自然農法で栽培した野菜は、東京の私のお店で使用しようと考えていますが、山崎さんとも協業していけたらおもしろいなと思います。
山崎 ぜひ一緒にやりたいですね。私としては、双葉町のみんながひとつのチームとして協力していけたらと思っています。
小林 双葉町のまちづくりのコンセプトは、「自然農法の野菜」とかでも良いと僕は思います。これまでは「復興最後発」などの大きな言葉をキーワードを掲げていましたが、そうした言葉では復興がなかなか進まないということが明らかになってきているので。
髙崎 小林さんが言うようにひとつの旗を立てることも大切なので、そういったことも山崎さんと一緒にやっていけたらいいですね。私は双葉町の実家で「なにもしない合宿」というイベントを定期的に開催しているので、山崎さんにもぜひ参加してもらえればと思います。
島野 山崎さんや髙崎さん、小林さんのようなプレーヤーが出会えるところが双葉町の良さだと私は思っています。なにかに挑戦したいと考えているいろんなプレーヤーが双葉町に集まる仕掛けをつくっていきたいですよね。
髙崎 山崎さんのように、双葉町でなにかをやりたいと手を挙げてくれる人がいるのは本当にありがたいこと。ぜひ山崎さんとも、飲みニケーションで交流を深めていきたいですね(笑)。
山崎 今日みなさんとお話しをして、もっと双葉町に関わる人とコミュニケーションを取り、もっと双葉町への理解を深めていきたいという想いが強くなりました。今後もよろしくお願いします。