ウォーキングについて
古今整体室では日々の養生として、また治療の一環として患者さんに歩行をお勧めしています。
歩行とは身体に律動的(リズミカル)に荷重をかけることです。
〈歩行の主な作用〉
①血液循環作用
全身の筋肉はそのほとんどが心臓に近い方が広がっていて(多頭)、遠い方が尖っています(単頭)。その形自体がポンプとしての機能を持っており歩行などの運動で筋肉が収縮すると静脈血を心臓に送り揚げる働きをしています。全身の血液循環は心臓のポンプ機能だけで行なっているわけではありません。骨格筋の運動がその多くを担っています。ですから運動が不足してくると心臓がより強い力で押し出さなくてはならなくなってくるわけです(=高血圧)。
筋ポンプ機能で特に重要なのが下端部のふくらはぎです。このふくらはぎの筋肉のポンプ機能を最大限に引き出すのが歩行運動です。
②造血作用
歩行による律動的な荷重が骨内部の骨髄腔の容積に変化を生じさせます。それが造血幹細胞を刺激して血液の産生を促します。特に加圧状態では、体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を食べる顆粒球や単球といった白血球が盛んに作られます。
逆に減圧状態(安静・睡眠時)では赤血球や白血球の中でもウィルスのような特に小さな微生物を攻撃するリンパ球が作られます。
白血球は2/3が顆粒球や単球で、1/3がリンパ球というのが理想的な状態であるので、こういった点から見ても運動と休息のバランス(2:1)が重要になりますね。
③骨形成作用
荷重によって起こる骨表面の電気的な変化がカルシウムを骨に沈着・蓄積させ骨形成を促進します。カルシウムを過剰摂取することで骨形成が図られると考えられていますが、単にカルシウムの血中濃度が高まるだけで骨形成には直接作用しませんし、他の問題を引き起こす原因にもなりますのでお勧めできません。骨形成には荷重下での運動が絶対要件になります。
④骨格形成作用
上体の荷重と下肢からの抗力が骨盤部に加わることによって骨盤の緩みや歪みが解消されます。また頭部の荷重が律動的に脊柱に加わることによって自然に脊柱の生理的なS字の弯曲が(再)構築されます。
〈歩行の方法〉
①太陽が出ている時間帯に
②荷物を持たず
③クッション性の高い運動靴を履いて
④平坦な道を
⑤肘を曲げて
⑥踵からついて親指から抜けるようにして
⑦40〜45分連続して歩く
です。
細かい点を挙げれば他にも色々とあるのですが、以上の事柄を意識して頂ければまずはいいと思います。時間についても無理の無い範囲で20分位から始めて頂いても構いません。続けることが大切ですから。
はじめは足首や膝の痛み、筋肉痛なども出てきますがほとんどが一過性のものですし、3ヶ月位続けて頂ければ確実に身体が変わってくるのを実感できると思います。ぜひ日々の養生法のひとつとして取り入れてみて下さい。
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