雑日記 : お弁当作りのキャリア
長女の学童用のお弁当を作る日だった。
前日に仕込んでおいた鶏ささみのつくね、
甘めの玉子焼き、かぼちゃの煮物、
ブロッコリーに、チーズを挟んだプチトマト。
赤ウインナーはカニ形に。
お気に入りのふりかけは別添えで。
保冷剤がわりにひとくちゼリーを2つ。
週1回だけだけど、正直、ずいぶんと億劫だ。
でも、長女は楽しみにしてくれているし、
いつもきれいに完食してきてくれるので、
甲斐はある。
わたしのお弁当作キャリアは無駄に長い。
小学4年くらいから、自分のお弁当を作っていた。
働く母の作ってくれるお弁当がある意味とてもシンプルで、
他の子の手の込んだお弁当がうらやましかった。
それを作ってくれと言える空気も発想もなく、
なぜか突然「自分で作る」と飛躍したのがきっかけだった。
年数もかなり経っているので記憶も曖昧だけど
それでもこれだけ長いキャリアがあると、
それなりに知見も貯まっている。
細かい手先のコツみたいなものは体が覚え、
バッドノウハウはやたらと記憶に残る。
衛生管理などまるで頭にない頃からやっていたので、
夏場に持って行ったお弁当で、
いくらか怪しいものは口にした。
あの、テクスチャが崩壊したカニかまだけは
絶対に忘れない。
以来、夏の自家製弁当はひときわ気を使う。
ましてや、
自分が食べるものではなく、
自分の手を離れた場所で保管されて、
自分以外が口にするものだ。
できる限りの注意を払って、作って、詰めている。
特別かわいらしいキャラ弁は作らないけど、
いつも出来上がりを見ては「おいしそう!」とよろこび、
お昼が楽しみになる程度には、仕上がっていると思う。
あとは口に入れてバッドな記憶が生まれないように
ひたすら努めるのみである。
いや、
あまりにぬくぬくの体験だけだと
いつか自分でお弁当を作ろうとはならないよな…
というジレンマも抱えながら。
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