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雑日記 : おかあさんタイムリープ 

街で赤ちゃんと見ると、つい顔が緩む。

長女7歳、長男5歳。
今でもとてもかわいいけれど、
乳児という存在はまた別格で。
あの日々から遠ざかるほど、
懐かしく、恋しく感じる。

あの日のわたしのところに行って
ちょっとの間入れ替わるとか
できたらいいのに、とよく思う。

当時の自分といえば
おむつをした2歳と0歳に囲まれて
今思えば必死だった。
体力のある方だったけど、
それでもさすがに疲れていた。
手のかかる0歳児に、
いやいや気味の2歳児。
追い詰められて泣いたこともあった。

そんな過去の自分と
そっと入れ替わって、
1日でも、ひと晩でも、
変わってあげられたら…と妄想する。

こちらとしては
あの時期独特のかわいい乳幼児たちに
また会えるし、
余裕でお世話を引き受けられる。
なにより、かつて育てた自分の子なら
勝手もわかるしね。
かつての自分の細かな希望も
察してあげられるしね。

必死で逃げ場のなかった当時の自分と
余裕ができて赤ちゃんが恋しい今の自分。
完全に利害が一致しているのだ。

他に巻き戻りたい過去なんてないのだけれど、
この件に関してだけは
タイムマシンがあればいいのに、と思っている。

おかあさんタイムリープスイッチみたいなので、
過去の自分がしんどい日にスイッチを押して
未来(今)のわたしを呼び出せるとか、
そんなことできたら最高なのでは。

あの頃に戻ってやり直したいわけではない。
時を重ねて目の前で成長した
今現在の子どもたちこそがいちばん尊いし、
今さら巻き戻りたくはない。

ただちょっと、
あのふくよかな頬や手足や
片手で担げる軽くて小さな体
やわらかな髪とやさしい匂い
感情まるごとの表情
ささやかな寝息
そういうものを、
今だってすこしだけあじわいたいのだ。

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