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「強さって何ですか?」17歳の言葉は、一直線にずんとくる。
8月末に行われる本開催に向けての、プレ開催が行われた。大分で主催してくれたのは、「大分みらい高等学院」の松川大介さん。当日は、コロナの影響で人が集まらない可能性もあり、ZOOMでも参加できるよう準備をした。
何人来るのだろう?ドキドキしながら待っていると、みらい高等学院に通う4人の生徒さんと私達を含めて総勢14名の参加。意外に多くて嬉しかった。
始めに少しだけ、小幡さんの話を聞いて、交流会を始めた。松川さんが「大分みらい高等学院ができるまで」を語ってくれたあと、生徒さんたちが3名、一人ずつ前に出て話してくれた。
「みなさん、強さって何だと思いますか?」
そう大人たちに投げかけた彼は、中学校を出て、高校受験に「失敗」し、私立の高校に行って、「進学校出身」というだけで偏見や差別にあってきた。親やまわりが「我慢して学校に通いなさい」と言うことに違和感を感じ、自分で調べてこの「大分みらい高等学院」を選んだと彼は言っていた。
しかし、世間の目は冷たい。「学校に行けなかったら、゛弱い゛」「通信制高校なんて行ってはだめ」そんな空気を受けての冒頭の言葉だった。
彼は、みらいに来たばかりのとき、「学校に復讐するため」に、レベルの高い大学を受験したいと話していたと言う。しかし、松川さんと話す中で「その考え方はやめて、自分の行きたいところを探すようになった」と話していた。これから、新たな目標に向かって勉強を頑張っていきたいという。
「強さ」を「人のために何かをできること」と表現していた彼。これからどんな道を歩んでいくのだろう。
生徒さんたちが話す中で、何度も出てきた言葉があった。松川さんのことを「先生は、勉強はできないんだけど、すごく熱くて…」「先生は、勉強はできないんだけど、いつも親身になってくれて…」
「勉強ができない」を連呼される松川さんは、顔がどんどん真っ赤になる。でも、それは、とても幸せな風景だった。相思相愛なんだなぁと誰もが見てとれた。ちょっぴり羨ましいくらいだった。
「勉強ができる、できない」で人の人生は決まらない。その人の価値は、決まらない。あたりまえの事だけど、そのあたりまえの事がどんどん通じない教育現場が増えていないだろうか。
「優しいね」「一生懸命だね」「気が利くね」…点数や数値には表れない、そんな「その人の良さ」が大事にされる場所がもっとたくさん増えたらいいなぁと思う。
「できる」は、いいこと。でも、「できない」もいい。
「できてもいいし、できなくてもいい。」
かつて私にそう言って、良いところもそうでないところもまるごと受け止めてくれた、大好きな先生を思い出した。そんな緩やかさ、そんな安心感が、今子どもたちには必要だと思う。
「大分みらい高等学院」を受験するときにある子が書いた作文を読んだ。
「ぼくは、母のように、困っている人を支える介護士になりたい。」
一文字一文字、一生懸命に書いたであろう文章を読んだ瞬間、涙が溢れた。
「強さって何ですか?」
強いって
優しいっていうこと。
私は、そう思う。
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