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自分の人生を豊かに生きるために大切にしたいこと
熊本の母の65歳のお誕生日に泊まる場所は、「朝山家」だと決めていた。
「朝山家」は、小3と小1の息子たちが昨年の12月からピアノの教室として通っている場所でもあり、1日1組限定の小さな民泊のお宿でもある。
豊後大野市緒方町の美しい集落にあり、約3年前からご夫婦で古民家をセルフリノベーションしている。SNSを通してずっとみていた若い夫婦の奮闘記。どんどん素敵になっていくお宿の空間に惹かれ、いつか泊まってみたいとずっと思っていた。
熊本に住む父母は、孫に会うためによく豊後大野に来てくれている。でも、来たら我が家で過ごすばかりであまり豊後大野の素敵な場所を改めて紹介する機会がなかったことに今更気づく。
そこで今回は、私も大好きな山奥のカフェ&パン屋さん「キッチンウスダ」さんのところにランチを食べにいくことにした。
この日は、立春。春を感じる心地よい陽気の中、外で美味しいランチをいただいた。
自然豊かな場所で美味しいランチに心にもじんわりパワーが溜まっていく。
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その後は、緒方の酒造で今夜用の美味しいお酒を買って、原尻の滝に向かった。
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夕方になり、いよいよ「朝山家」へチェックイン。
するとなんと、近所のおばあちゃんが「みかん狩りとふきのとう収穫をしないか」と誘ってくれたとのこと。「朝山家」の奥さんさやかちゃんに連れられておばあちゃんの家に行き、さっそくみかん狩りに連れて行ってもらった。
85歳くらいのすみえおばあちゃん。笑顔がとっても可愛いおばあちゃん。シニアカーに乗り、どんどん前へ進む。
普段からシニアカーに憧れていた息子たちは、すみえおばあちゃんに乗せてもらってご満悦。笑
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思ったよりずっと山奥まで行き、でっかいみかんがたくさん生る木に出会った。一番テンションが上がったのは、みかん大好きな母。まるで少女に戻ったかのようにはしゃいでいた。笑
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その後、畑でふきのとうも収穫させてもらった。鎌で採ると、ふわっと春を感じる香り。
(もうすぐ春が来るんだな……)
自然と気持ちも明るくなる。
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家に帰ると、「朝山家」のさとしくんの夕ご飯が並んだ。メインは二、三日前から仕込んでくれた「鹿肉ロースト」と「スモークチキン」。お誕生日ということで特別に二種類も準備してくれた。お心遣いが嬉しい。どちらもお肉が柔らかくてとても美味しかった。
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さやかちゃんの作った里芋のスープも絶品。とろとろ甘くてあったかくて。優しさが身体中に染み渡るお味。サラダは息子たちに大人気で、ペロリ。学校の宿題の日記にも「サラダが一番おいしかった」と書いた息子だった。
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お部屋にあった昔のそろばんでばあばが孫に教えたり、みんなでトランプしたり、お酒を飲みながら大人だけで夜遅くまで熱く語り合ったり……。
特別な夜はゆっくりと過ぎていった。
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心地よいお部屋でぐっすり。
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「朝山家」のリビングからは、朝日が見える。遠くに広がる山々と雲海と朝日と。
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心のこもった美味しい朝ごはんをいただいて満たされたとき、すみえおばあちゃんがわざわざ私たちにプレゼントを持ってきてくれた。
子どもたちに可愛いぬいぐるみと、お年玉(!)、手作りの帽子に手作りの飾り物……。
私たちのことを想い、ここまで持ってきてくれたことに心の芯が震えた。
すみえおばあちゃんの「誰かを喜ばせたい」という純粋で真っ直ぐな気持ちは、きっとこれまで多くの人を幸せにしてきたのだろう。
私もそのバトンを受け取りたい。
そして誰かに届けていきたい。そう思った。
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最後は、「キッチンウスダ」さんのチョコレートケーキで母のお誕生日をお祝い。
「今までで食べたケーキの中で一番美味しい!」
と息子も大絶賛。
そして最後の最後に、ピアノの先生でもあるさやかちゃんに「何か一曲弾いてくれませんか」とダメ元で頼んでみた。
快く引き受けてくれたさやかちゃんの指が音を奏でる。
即興で弾いてくれた演奏。
それはそれは優しくて、胸の奥深くにすーーーっと届いてくる音楽だった。
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自然と涙が出ていた。
息子も涙をこっそり拭いていた。
「すごい……」小さな声でつぶやく息子をぎゅっと抱きしめた。
すごいね、すごいね。
人を想う心ってすごい。
だってこんなにも心の奥まで伝わるんだから。
一つ一つ丁寧に作ったお料理だったり
美しくに整えられたお部屋だったり
奏でる音楽にも
旅ノートに綴られた言葉たちにも
すみえおばあちゃんから溢れる笑顔にも……
人が人を想う心ってすごいね。
私もそんな気持ちで溢れる人でいたいな。
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「人生観がなんか変わった気がする」
そう言って熊本に帰った父と母。
65歳になり、「私たちも歳をとったね」とよく話題に出る二人だったけど、85歳のすみえおばあちゃんの生き生きとした姿に
「私たちも負けちゃおられんなあ。まだまだ元気でおらんと」
と言っていた。
舗装されていない、自然が溢れる道を散歩しながら、「子どもの頃を思い出した」と呟いていた。
「豊かに暮らすってなんなんだろうね」
「幸せに生きるって、自分にとってどんな暮らし方をすることなんだろうね」
そんなことを自分自身に問いかける二日間だった。
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「忙しい」を理由にして、2年間くらい辞めていた野菜作りを今年は再開しよう。
パパが今小屋作りを頑張ってくれているから、春になったら両家を呼んで、そこで花見をしながらバーベキューをしよう。
庭にはもっと、果実のなる樹を植えていきたいな。
できた野菜を干し野菜にしてみたい。
夢がどんどん膨らんでいく。
「朝山家」に泊まってよかった。
「丁寧に、暮らしたい」
心の奥から湧き出る願いに、気づいた。
やっぱり私は出逢う人を一人ひとり大切にしたい。
だからいつも時間にも心にも余裕を持っていたいんだ。
そんな暮らしに、そんな生き方に
今、心から憧れている。