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ハンカチとティッシュ

ハンカチティッシュを常に持ち歩くよう心がける人はどのくらいいるだろう。

常々から、ハンカチとティッシュの在り方、使い方には家庭の教育方針もさることながら大雑把に言うと文化圏でだいぶ違いがあるなと思っている。


私は学校に上がってからは常に、外出する時にハンカチを持つように母から口うるさく言われていた。
母はカバンに常に新鮮なハンカチを2枚は入れていて、私が出先でハンカチがない時は渡してくれていた。

高校生まではずっと制服だったので、ハンカチとティッシュは常にポケットに入れていたな。

ハンカチは正方形のミニタオルが定番で、部活をやっていたので夏とかはミニタオルじゃ心許ないので、ご当地キティとかの正方形のタオル(30センチくらいかな)を使っていた。
私が高校生の時代までは、学校にクーラーなんてついてなかった・・・。

学校に行く時がそうだから、当然プライベートでもハンカチは持っていた。

特に学校なんかだとトイレに行っても手を洗って乾かすものやペーパータオルのない場所の方が多かった。


ハンカチは、お小遣いの少ない学生でも買えるオシャレということもあって、プレゼントでちょっといいアナスイのをもらったり、旅行に行ってご当地のものを買ったりと、コレクションにも最適。

子供時代から植え付けられた常識は定着するもので、30代の今になってもハンカチは持ち歩くんだけど、ヨーロッパ生活が長くなってある時ふと気づいた。

周りにハンカチを持ってる人がほとんどいない。

いつだったか机の上にハンカチを出していてたまに使っているのを見た人がそれを見て笑ったんだよね。

なんか、小さい布を使ってるね、みたいな。
からかわれた。

それでも気にも留めなかったけど、ふと考えた時に、周りの人でハンカチを使ってる人を見ない。

私は、ハンカチを持っていると安心するっていうのが一番だけど、例えばちょっと顔を拭いたり、濡れるまではいかないけど手を整えるのに使ったり、お茶や水が一滴こぼれた時にとか、とにかくハンカチはほとんど使わない時もあるけど、使う使わないはもはや関係ないぐらい、当たり前に携帯するものという位置付け。

大人になってから利用する施設では、エアドライヤーやペーパータオルの設置が多いは多いけど、それに不具合がある時もあれば、たまに何もない時がある。

そんな時にハンカチは有用なわけで。

まず、エアドライヤーやペーパータオルの有無を確認して、ないんだったら手が濡れる前にハンカチをカバンから取り出しておく。

ハンカチを持っていれば濡れた手のままトイレから出ることにはならないけど、ヨーロッパだとそんなシチェーションの時、周りの人たちは手をブンブン振ってよしにしたり、ズボンで拭いたりする。

う・・・服で拭くのは無しでしょと私は思ってしまう。

逆に、ティッシュの所有率はそこそこ高いみたい。

こちらのポケットティッシュは、だいたい4枚綴りで分厚い。

日本の薄いティッシュに慣れていると使いづらいので、私はめくって薄い層で使う。

でも私はそんなにティッシュを頻繁に使うほど鼻も出ないし、なんならトイレに行った際にトイレットペーパーで済んでしまう程度なので、ティッシュはそうそう必要にならない。

自宅に一応ボックスティッシュも置いてるんだけど、一人暮らしの小さな家なのですぐ水回りにたどり着けるし、ティッシュを使うまでもなく手だったら水で洗ってしまったり、何かを拭くのなら布巾を使うし、あんまり減らない。

化粧用ボックスティッシュなら1枚か2枚綴りっぽいんだけど、普通のティッシュはこれまた4枚綴りなので使いづらい。
しかも高い。

だから他人がうちに来て、分厚い一枚を取り出して少しだけなんか拭いたかと思えばすぐに捨てられると少しモヤっとする。

オーストリアの物価事情だと、むしろコスパが一番いいのはキッチンペーパーだったりするので、それを使って欲しいと思うぐらい。

でも、びっくりするのが、こっちの人って特にある程度年齢が上だと、何日前から使ってるの?って思うぐらいくたびれたしわしわの使いかけティッシュが服のポケットから出てきて、それでビーンと鼻をかんだ後にまた服のポケットにしまっている。

えー!捨てろよ!流石に!

そのわりに、食堂などで使う紙ナプキンは口を拭いたら絶対すぐ捨てるんだけどね。

それはティッシュが割高なせいでそうしてるのか?

これは本当に謎。

一回鼻をかんだティッシュでまた鼻を・・・ってどの面でかむのか?

湿ったティッシュをポケットに入れるのか?

でもハンカチも濡れると言えば濡れるよな・・・・。

なんだかよくわからなくなってきた。


そうそう、日本で女性に大人気のフェイラーのタオルハンカチ。
これドイツ製だってみんな知ってるかな?

ドイツの、チェコとの国境付近にフェイラーの工場はあり、そこで製造しているみたいなんだけど、実はこんなに可愛い柄のハンカチを、お膝元のデパートなどで見ることはほとんどない。

フェイラーの美しいハンカチは贈り物にもピッタリ

いつだったか名古屋の松坂屋にフェイラーストアがあって覗いた時、名古屋城シャチホコ柄だったり、ラーメン柄、力士柄、寿司柄・・・それはそれは色々な柄があって、買いたくなったけど自分で買うとなると結構高価なのでその時は買わなかった。

社会人になってから何回か人に贈ってもらう機会があって、その品質はすごいなと知った。

銀座の一等地にも立派なストアがあって、平日の昼間でも大繁盛!

動物柄などもあり、ハンカチだけでなくさまざまなグッズがあって素敵。

見た目だけでなく、洗濯に強くて長いこと使える品質は折り紙付き。

でも、その商売が成り立つのは、ハンカチを持ち歩くのが常識とされている日本だからなのでは?と気づいた。

ある時フランクフルト空港で暇だったのでお土産屋などをくまなく覗いていたら、店内の奥の方の商品棚の一番下に、ひっそりとフェイラーのハンカチが置いてあるのを発見した。

値段は9,90ユーロ!
2枚買おうと思って、置いてある商品を吟味して・・・も、あるのは大中の花柄のみで、黒地かベージュ地のみ。

十分綺麗なんだけど、私はどちらかというと面白い柄でほっこりしたいので若干物足りない。

あれも欲しい!これも欲しい!の逆で、
どれだったら持っててひとまずアガるかな・・・と取捨選択して、買ったけどね。

日本で売ってるような、誰もが欲しくなるような可愛い柄の数々はドイツには売ってないんだということがわかった。

はて、そしたら、本当にフェイラー本社でそれらの柄のを作っているのだろうか?

ライセンスを取って、日本での販売分を日本国内で作っているのか?

純粋にドイツで製造したものを輸入販売しているんだったら、日本のフェイラーでCADデザイン画を作ってそれをドイツに送り、それを元に現地の職人さんが糸を選んで織り機で織って、製品に仕上げたものを日本に輸出・・・なのかな。

相撲柄や寿司柄なんかを、全くなんなのか知らない無骨なドイツ人や東欧人が、「これって需要あるのか?全く日本って変わってるなあ」とか言うのか、それとも淡々と流れ作業で無表情で作ってるのを想像したら笑えてしまう。

それでも日本各地に100店舗とかあって、通販もやってるんだから、だいたい1つの柄のハンカチを2万個ぐらい織ってもらっても、捌けちゃうのかもしれない。

案外最小ロット数が少なくて、融通がきくのかもしれないしね。

ドイツのフェイラーが完全に製造して輸出していると仮定して、総売り上げの内日本への輸出が占める割合ってどれくらいだろう?
ハンパないんじゃないか?

むしろ、日本じゃなくて中国かどっかに人知れず専有工場があってもおかしくない・・・(納期のため)

なんて色々話が展開してしまうけどそれは置いといて。

日本人の私からすると、ハンカチの存在意義について考えたこともないほどハンカチを持つことは普通で、タンスの小さな引き出しがハンカチで埋まるぐらいなのはきっと多くの人が普通で。

でも他の国の人たちはハンカチなんて一枚も持ってない人の方が圧倒的多数なんだと考えると、なんというか・・・・ポツンと感を覚える。


でもやっぱり、ハンカチを持ち歩くことをやめないでしょう。

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