孤独の熱狂の先にあるもの。
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
これはある男の料理をテーマにした”闘い”の物語である。
夫として、父としてダメダメの男が唯一輝くことができる場所。
それが「シェフ」である。
誰にだってあるじゃないですか。
自分が活躍できる場所とあまり力を発揮できない場所。
彼にとってのそれが「シェフ」という生き方である。
映画情報を少しだけ。
2014年のアメリカ映画。主演はジョン・ファヴロー。なんとこの作品、ジョン・ファヴローが監督・脚本・制作・主演を務めた。凄まじい。。。
あらすじは以下に記す。
一流レストランの料理人カール・キャスパーはオーナーと衝突。創造性に欠ける料理を作ることを拒み、店を辞めてしまう。マイアミに行ったカールは、とてもおいしいキューバサンドイッチと出会い、元妻や友人、息子らとフードトラックでサンドイッチの移動販売を始めることにする。
あらすじだけ読んでもこの作品の素晴らしさは全く伝わってこない。
この物語はアツい男が料理をすることで自分の生き様を描いている。
料理を徹夜しながら試行錯誤するなんて僕には到底理解できないが、これこそシェフに取り憑かれたシェフの姿なのであろう。
夫としても、父としても不甲斐ないカールである。
さらに訳合って唯一の生きがいであってシェフという職業すら失ってしまう。
一時は途方に暮れるカールであったが、彼にとってシェフは”職業”ではなく、”生きる”ことそのものであった。
どこにいようが、何が起きようが、彼にはシェフという生き方を選んだ。
いや、シェフという生き方しかなかったのだろうか。
孤独だ。孤独な闘いだ。孤独な生き方だ。
もしあなたの生きていく術がひとつしか残されていなかったらどうだろうか?
孤独な生き方だ。
しかしその孤独の先には、、、。
ひとつに熱中し打ち込むカールはなんとも言い表し難い美しさを放っている。
その姿に是非熱狂してほしい。以上。終わり。