貯金なんてバカはしない。
コロナ禍に国民全員に一人当たり10万円の現金給付が行われたのはまだ記憶に新しい。大人も子どもも一律で10万円を受け取ることができる。給付金受け取り申請は世帯ごとなので、世帯主の判断によっては給付金を貰えない家庭もあるだろうが、突然の10万円はとてつもないボーナスだ。
その使い道はどうなのだろうか。ある調査によると、生活費が半数以上を占め、それから貯金や娯楽費などが続いており、寄付や投資は少数となっている。先の見えない将来への漠然とした不安、そして日本人特有の貯金がとにかく好きな国民性も相まって貯金が堂々の第2位である。
今や世界各国がものすごい勢いでたくさんのお金を刷っており、お金の相対的な価値が下がっている。また、経済成長が止まらない限り物価は上昇し続ける。例えば、500円もあれば食べられるうどんは、70年前には15円で食べられたそうだ。つまり、お金は使わないだけで損しているのだ。
お金の本質は、信用である。そしてお金を失っても信用は失われない。お金は、失って初めて価値が生まれるのである。使っていないで貯めているお金に価値はないのだ。一万円札の原価は20円ほどだ。20円札数えてニヤニヤしてても仕方ない。そうは言っても預金残高が増えていくあの快感はまた一段と格別である。