シンガポールで現地採用で働くまでの道のり⑤シンガポールでいきなりローカル文化にふれる
カウチサーフィンという怪しいサイトで宿泊先ゲット
AIRASIAで、マレーシアのKLを経由して、はじめてのシンガポールチャンギ空港に降り立った。
東南アジアにしては綺麗だな、という感想しか持たないくらいに、シンガポールに興味のなかった私。
今回は、私がシンガポールに行くきっかけを作ったバックパッカーにアドバスをもらい、カウチサーフィン(Couchsurfing)というウェブサイトで泊るところを確保した。
カウチサーフィンとは、シンガポールで無料で泊まらせてくれる人を探すサイト。今思うとかなり怪しいサイトだよな、とつくづく思うが、何度もこのサイトを使用して無料で宿泊先を確保したバックパッカーが、私の宿泊先を探してくれた。
宿泊者を募集している人のレビューをすみずみまで確認し、この人は安心だ、この人はやばそうだ、などと分析してくれながら。
その時は知らなかったが、無料で他人を自分の家に泊まらせるというくらいのサイトを使って知らない人の家に泊まることになった、などと知り合いに言うと、簡単な女だな、と思われていたのだろう。
シンガポール人おばさんとの出会い
Ang Mo Kioというローカルエリアの、シンガポールの公団住宅HDBに住んでいる、中華系シンガポール人のおばさんの家に1週間泊まることになった。
おばさんの家まで、空港からMRTを乗り継ぎなんとか到着。
昔ニュージーランドに住んでたというおばさん。1人でHDBを借りていて、数室ある部屋を学生に間借り家賃をもらっている。自宅で小学生たちに勉強を教える塾をしている。
海外旅行は好きだけど、忙しくて行けないため、客室にしている1室を時々、ボランティアとして無料で外国人に提供して、交流しているらしい。
会う前のおばさんの情報から、マザーテレサのような包容力のある優しいおばさまを想像していた私。
MRTを乗り継ぎ、やっとおばさんの家にたどり着き、家のドアをノックすると、実に不愛想な化粧家のないおばさんが出てきて、「ああ、あんたか。今塾の最中だから、とりあえず部屋に入ってな。」と言った。
小一時間なんの説明もうけずに、部屋の中で途方にくれていると、おばさんがノックもせずに部屋に入ってきて、私を近くのホーカーセンターに連れて行ってくれた。
シンガポールの庶民的エリアで初めてのホーカーセンター。初めて会うシンガポール人のおばさんと、初めてチキンライスを食べた。
その後、歩きながら南国フルーツの、ロンガンとマンゴスチンを初めて食べた。
決してきれいな街並みではないAng Mo Kioのローカルエリア。ただ、私はとても楽しかった。
ぶっきらぼうだけど優しいシンガポール人のおばさんに、私は全く気を使わずにいれた。
シンガポールに降り立ってわずか数時間で感じた、この居心地の良さはなんだろう。
じっとりと湿った暑ささえ、心地よい。
1人でいるのにこんなにもわくわくしたのはいつぶりだろう、とふと思った。