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川に流されて生き延びた話<体験談>⑦
もう少し河原で休んでいたかった僕でしたが、親子の前でダサい姿は見せられまいと、スタスタとその場を離れ上流へと歩いていきました。
歩きにくい河原を疲れた体で押し進んでいると、河原の終わりにたどり着き、いよいよ山になりました。
河原と山の境目からの景色はこれからの試練を物語っていました。
川には岩が重なり合い、簡単に歩ける様には見えません。
さらに川は蛇行していて先が見えず、いったい僕はどれほどの距離を流されてきたのか見当もつきません。
ここで僕はとんでもない判断ミスをすることになります。
「川に沿って歩き進むより、山をまっすぐに突き抜けたほうが早く戻れるかもしれない」
何を血迷ったのか僕は、蛇行している川沿いを進むではなく、山中を歩くことを選択しました。
そして川から山の中に入ってきいました。
川に流される前に履いていたサンダルは両方とも流されて、裸足のまま山を進んでいました。
松の葉が刺さるのが少し痛いくらいで、落ち葉が敷き詰められた山の土は歩けないことはありませんでした。
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