川に流されて生き延びた話＜体験談＞⑧最終回

山から降りて来て山間の川を目の前にして見えるのは、巨大な岩、その両脇には山がそびえています。
河原どころではない歩きにくさの中、一歩一歩とにかく進みました。

川の左側をしばらく進んでいると、大きな岩や崖に阻まれ進むことができなくなりました。
対岸は河原のようになっていて、川を渡ればまだなんとか進めそうでした。
悩んだ末に川を泳いで対岸まで渡ることにしました。

川で流されていたときは体力を削られて浮かぶことしかできないこともありましたが、陸に上がってからだいぶ元気になっていました。
しかしそれでも川の流れは速く、結果は流されてしまい、もといた河原に逆戻りでした。
さっきの親子が河原の上の車に乗り込む姿が見えました。

もう後には引けません。
誰の助けも望めません。
もう一度さっきの行き止まりの所までたどり着きました。
今度はなんとか渡り切ることができました。
そして川の右側を進んでいると、今度も大きな岩と崖に阻まれ進むことができません。

対岸を見てみるとそちら側には小さな河原のようになっていて進めそうです。
川は蛇行していて、カーブの外側は崖になっていて、内側は河原のようになります。
なので崖と河原の繰り返しだったために何度も川を渡らなければ進むことができませんでした。