日本とヨーロッパ、そんなに働き方は違うのか?
スペインの離島からこんにちは。
Hello from isolated island of Spain.
ロシア・ウクライナ情勢で胃が痛い。
もう今日は英語字幕はここまで!(おいおい)
Because I have a stomachache, no more Eng sub! (Wha?)
先日お客様とこんな話題になりました。
日本は長時間働いても生産性が上がらない。
ヨーロッパは短時間サクッと働いてるのに生産性が高い。休みも取りやすくワークライフバランスに優れていて、女性も働きやすいと聞く。
何が違うの?
ほほー。
私、ヨーロッパに来て5年ですが、納得いくような・いかないような。
夫や夫の周りの人を見て、な〜んか思ってたんと違うと感じることや
日本で働く感覚で話をすると全く噛み合わないということがしょっちゅうありました。
以前はヨーロッパ人はお金持ちのイメージがありましたが、実際は地味な暮らしをしている方が多いと思います。(クレイジーなお金持ちもいるっちゃいますが)
私も疑問に思ったので調べてみたところ
一番納得いく答えがあったのがこちらの記事。
と、記事内で紹介されている著書の要約
昇進の可能性のある日本 vs そうでもない欧州
[日本の場合]
その分野の仕事に特化した資格や学歴がなくても採用されて、一定期間働くと、個人の能力に合わせて管理職を目指す人・一般社員のままその業務に特化する人・他の部署へ異動する人などに別れるのが一般的ではないでしょうか?
「年功序列」という言葉があるように、日本企業では働く年数が上がるほど給料や役割、昇進の可能性も高くなるのも特徴です。
例えば、同じ営業部門の一般社員でも
1年目・5年目・10年目の人では等級が違い、給料も違うという場合です。
このような社会の場合、誰もが昇給・昇進の可能性を持っている。
いうたら、島耕作になれる可能性があるのです。
[欧州の場合]
学歴や資格によって採用される業種やポストが限定され
一般社員:ずっと同じ事業部・地域で同じ業務をする籠の鳥(大卒)
エリート:様々な業務・事業部・地域で働き経営層を目指す管理職の卵
(大学院卒以上)
に入社時から分かれます。
つまり、学歴によって将来が決定されているということですね。
一般社員は、入社時から退職するまで部署異動や転勤などはありません。したがって、同じ業務を長いことしていると効率よくなりるので、残業もほぼありません。
また、同じ業務=同じ給料という考えなので、勤続年数に関係なく業務内容が同じであれば給料も同じです。
彼らは、限られた業務範囲で限られた仕事をすることから、自嘲的に「籠の鳥」と自分たちを呼ぶこともあるそうです(これは知らんかった!)
エリートは、大学院やさらに上の教育機関で学び、必要な学位や資格を取っていることが第一条件となります。
入社時から出世の道が決まっており、多業務・多事業部・多地域(国)で働き様々なスキルを身につけるキャリア形成を歩みます。
バチバチに成果主義の影響を受けるので、残業をしてでも成績を残さなければなりません。(無駄な仕事はしませんが)
異動の際は、会社から異動命令が出されますが、日本企業のように強制力はありません。あくまでも本人の同意を得て異動となりますが、ほとんどの人が承諾します。この辺りは、日本の雇用と違いはないかもしれません。
しかし、異動の際の給与交渉や、僻地への転勤の際などは現地の下見および待遇の要求は可能なようです。(『沈まぬ太陽』でもその描写があります)
昇級が強制の日本 vs 昇級するなら転職の欧州
[日本の場合]
前段で「誰でも島耕作になれる可能性がある」とお伝えしましたが、
この夢を見られる環境が、働きにくさ・生きづらさを拡張している一面もあります。
個人の能力成長が大きく評価されるため、成長の階段を降りることを良しとされません。これが若手の頃ならまだしも、30代後半を過ぎても続きます。
30代を過ぎると多くの社員には
子育て・介護
など、家庭の変化も訪れているころです。
それでも若手同様に会社と顧客のために働かなければならないとう状況が
ワークライフバランスにおいて妨げになっていると言えるでしょう。
[欧州の場合]
前述のとおり、一般社員はずーっと一般社員のままです。
「より責任のある仕事をしたい」「もっとお給料がほしい」と思うなら
自分の求めるポジションがある会社に転職するのが現状です。
転職ってエネルギーいりますよね。こんな顔にもなっちゃう。
「ヘッドハンティング文化が浸透してて、優秀なら優遇されたい放題なんちゃう?」
優秀ならな。大学院出て(それだけのお金もあって)、エリートコースが決まってて(だいたい親とか親族がすでにこのコース)、資格も取りまくってて、実務もばっちりな金の卵呼ばてれるエリートたちよりも優秀ならな。
結構例外ちゃいます?
早期退職を募る日本 vs 若者が働けない欧州
[日本の場合]
不況になると、日本では管理職や年配社員が会社から去る対象になりがちですよね?
年配社員は管理職に就いて実務から離れていたり、
昇進の階段に乗れなかった残念な人と評価されてしまいます(よっぽど現場で生涯現役や!という勢いと実績のある人は除く)
そのため不況時は、年配社員にしわ寄せがきます。
[欧州の場合]
長年同じ業務を行なって、高い業務効率を持つ年配社員は貴重な戦力です。
裏を返すと、仕事や組織に慣れていない若手を雇うことは負債になります。
余裕のないときはそんなリスクはごめんなので、
不況時は若者の解雇・就職難が発生するのが欧州です。
色々言われてるけど、日本の制度は魅力的
欧州の若者たちから言わせると、日本のお仕事環境は魅力的なんです!
[新卒一括採用]
企業から応募してるよということを公表されること&大学や専門学校などが協力的にサポートしてくれる新卒採用の制度はすごく魅力的!
大企業でも、大卒で総合職を応募している!欧州では院卒以上のエリートコースに分類されるから羨ましい。
[年功序列]
会社に貢献すればするだけ昇給と昇進のチャンスがあるなんて、夢見たい!ほんまにあるんよな??
仕事の中でスキルを覚えて個人を成長させる環境があるのは、新参者には嬉しい。
[長時間労働]
欧州は残業なし!みたいなのは昔の話で、業界によるけど今では欧州でも残業や長時間労働はあるから、それはどこも同じ。(まぁ、日本の残業時間に比べれば欧州は短いんだけれど)
*長時間労働や残業については、私なりにここが日本と欧州の違いかなーというのがあるので、別の機会にご紹介しますね。
「欧州では」は2種類あることに注意
もうおわかりのように、「欧州では〜」「欧米では〜」には2種類あり、かなり大きな壁で隔てられています。(米国のことはよく知らないけど)
ヨーロッパ人は残業なしで、休みも取れて、なのにお給料がめっちゃ高い!
というのは幻想なので、もう悩まないでください😊
出羽守神話は終わりにしたら?
本件に限らず、エネルギー問題とか、環境問題とか、女性の地位問題とか、
「xxxでは〜」と言っては煽る【出羽守神話】はもう終わりにてええと思います。(本物の出羽守は別やで!)
大事なのは、それがその国・業界・企業・人にあっているかどうかやん。
もうええ加減にしましょ。
❤️ Thank you. Arigatou. Gracias. Grazie. ❤️
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