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【車椅子】申請が通らなかった

「どうして申請に通らなかったのでしょうか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」(無言)


息子の車椅子買い替えの申請を市役所へ出したが、まさかの却下。

自宅には、補助金で車椅子を買うことはできませんよ、という通知が届いた。

こうなったからには、

①息子の車椅子を全額自費で購入する(30万円!)
②車椅子の購入を諦める

という選択肢しかない。

さあどうしよう。


我が家には、生まれつき脊髄神経が体の外に飛び出して生まれた息子がいて。彼は重度身体障害児の、車椅子の子供として育っています。

その息子は現在、小学校5年生の10歳になるのですが。

この度、いま乗っている車椅子が4年経ち、縦も横もサイズアウトしたので、車椅子を新しく買うことにしました。

ただ、子供用の車椅子は我が家にとってはなかなかの高額で、おひとつ30万円ほどするので。

「車椅子ひとつくださいー」

とほいほい買えるものではないので。
自治体から補助金をもらって購入しています。

その補助金も、自治体は電話やメール一本でくれるわけもないので。

市役所の障害福祉課へ行って、医師の意見書と診断書と車椅子の見積書と申請書と障害者手帳を提出して。

「お願いします」と申請して。

自治体の中で何らかの稟議があって、1〜2か月待って、やっといただけております。

ですが、今回、まさかの却下となってしまいました。


こうなったからには自治体からの補助金なしなので、

①息子の車椅子30万円を全額自費で購入する
②車椅子の購入を諦める

しかない。

さあ、どうしよう。


とはいえ、30万円なら払えないこともない。
子供のために、30万円全額自費で買っちゃうか。

それとも、
車椅子の買い替えは諦めて、息子にはすっかり小さくなってしまった車椅子に乗り続けてもらうか。

バーンと払うべきが、ケチるべきか、答えが出せない。

ので、

まずは、市役所の障害福祉課へ乗り込んで、車椅子買い替えの補助金申請が却下になった理由を尋ねに行ってきました。

申請が却下になった理由がわかれば、今後のことが決められるかもしれない。


で、市役所へ行き、障害福祉課の窓口から担当の人を呼んでもらい。

「どうして申請に通らなかったのでしょうか?」とお伺いすると。

担当の人から返ってきた言葉は、

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

なぜか無言。ずっと黙っている。

これはどういう意味なんだろうか。


補助金の申請というのは、マニュアルとか規定とか明確な基準があって、そこから1ミリでも外れてしまうと「却下」という結果になるものだと思っていて。

だから、申請が却下になった理由も、
「ここが規定から外れた」とか、
「所得制限です」とか。
はっきり答えてもらえるものだと思っていたのだが。

「どうして申請に通らなかったのでしょうか?」という質問に対して、無言の回答。

無言なので、こちらもどう話を進めたらいいのか分からず、無言の我慢比べをするしかない。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

それから何分くらい2人とも無言でいたのか分からないけど、
担当の人が「ちょっと相談してきます」と席を立っていき。

数分して担当の人が戻ってきたら、
「再申請ができますよ、どうしますか?」
と聞いてきた。

おいおい、申請が通らなかった理由はどこいったんじゃい、と思いながら。

「お願いします」
と返答するしかない。

「では、こちらで再申請しておきますので、もういいですよ」

と帰らされた。

そこからさらに2か月が経ち、自宅に届いたのは、
車椅子の買い替えに補助金を出します、という市役所からの書類。

30万円のうち、自治体が25万円ほど出してくれるらしい。

「あ、申請が通った」

とりあえずよかった。
これで補助金を使って車椅子の買い替えをすることができる。

でも、最初に申請を出した時、却下になった理由は何だったんだろうか。

車椅子の製作会社さんに聞くと、
「車椅子買い替えの申請を却下された人を、私は見たことがないですね」

ベテラン理学療法士さんも、
「申請が却下された人を一人も知らないです」
という返事。

なので、結局、却下になった理由は分からない。


でもまあ。
そもそも、なぜ息子の脊髄神経が妊娠中にうまく育たなかったのか、分からない。
神経が外に飛び出して生まれたのに、そこから今も生き続けられている理由も分からない。
これから何年、生き続けられるのかも分からない。

そしてなぜ娘は、元気すぎるほど元気に生まれたのか分からない。

まったく分からない。

車椅子の息子の周りには分からないことだらけ。

今回の車椅子買い替えの申請が通らなかった理由も、分からないこととして、棚上げするしかない。


では。






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