車椅子の息子の社会見学、できることと出来ないこと
先日、車椅子の息子が通っている公立小学校で、社会見学がありました。
社会見学はバスで行って、お弁当を食べて、また見学してバスで帰ってくるというものなので。
車椅子ごとバスに乗せてもらって、現地の公園でお弁当を食べて、トイレも現地の公園ですませるので。
車椅子の息子にとっては、ついていくのも大変なんですけど。
今年の社会見学は、親の付き添いなしで、
「担任と支援学級の教員で引率します」
ということだったので。
先生に丸投げして、行ってきてもらいました。
我が家の息子は、生まれつき歩けないので、車椅子で生活をしています。今は小学校4年生になります。
で、車椅子の息子が、小学校4年生で行ってきた社会見学の行程なのですが。
朝、バスに乗って移動して、市営のゴミ処理場を見学。
で、ゴミ処理場の敷地内に公園が整備してあるので。そこで、お弁当を食べて。
お昼からは、またバスで移動して、魚の養殖場の見学に行くというものでした。
息子は、車椅子なのですが。今回、学校が用意してくれたバスは、ノンステップバスではなくて、段差もある、それほど新しくもない観光バスらしいのですが。
なんとか、先生に支えてもらいながら、段差もあるバスに乗ったようです。
あと、車椅子は、バス車両のトランクルームに入れて運んだと思うのですが。
息子本人に、車椅子は誰がどうやってトランクルームに入れたのか聞いたところ。
「さあ?」「気づいたら目的地に車椅子も着いてた」という返事でした。
で、トイレは、見学したゴミ処理場に、障害者トイレがあったのでそこを使わせてもらったようです。
市営の施設というのは、変なデザインで無駄にお金がかけてあったり。その割には使いづらかったりするのですが。
障害者トイレだけは、用意してあるので助かります。
ただ、午後から行った養殖場だけは。養殖場のいけすの間近までは、車椅子が通れる通路がなかったので、行けなかったようです。
あと、養殖場に、観光用の小さい、幼児用のプールのような「いけす」があったらしいのですが。
他の子供たちは、小さいいけすに、靴と靴下を脱いで入り、じゃばじゃばと歩いたけど。車椅子の息子は、見てただけ、らしいです。
こういう、他の子供が当然のようにやっていることを、車椅子だからできない、ただただ見ていなきゃいけない。というのが、どういう気持ちになるのかは、私には分からないのですが。
車椅子の息子に聞いても、そのへんは「‥‥」でしたので。
親には言いたくない、何らかの気持ちがあるんだろうと、見守るしかないです。
という工程を終わらせて、本当に小学校の先生だけで、まる一日の社会見学を終わらせて、帰ってきました。
で、息子が通っている公立小学校なんですが。
息子が通っているところだけかもしれませんが、学校内での行動に自由はあまりなくて。むしろ制約があって、特に安全面では厳しいんですよね。
安全面に厳しいというのは、例えば、車椅子の息子に言われているのは。
移動するのは、車椅子の息子が転けたら危ないし、巻き沿いで転けてしまう子供もいるかもしれないので、禁止。
学校のエレベーターも、誤作動があったら危ないので、ひとりで乗ることは禁止。
先生がそばにいても、車椅子で走るのは禁止。
教室のなかでは、30人もいて、30人分の机とイスがひしめき合って危ないので、車椅子での移動は禁止。
かといって、歩けない息子が教室で歩こうとがんばってみたことがあるのですが、よろけて転けてしまったら、机とか椅子とかにぶつかる可能性しかないので、教室で歩くのも禁止。
という、とにかく、安全のための禁止事項がありすぎます。
なんだか、先生や学校からは、歩けないような転倒しやすい子供は、とにかくイスに座って動かないでいてほしい、という先生達の心の叫びを感じてしまいますね。
でも、公立小学校の先生たちは、30人分を一人の先生が見ているわけで。
もし、教室のなかで、「車椅子と子供がぶつかって大怪我した」というような事故が起きたら。
たぶん、30人分の親に個別に先生が説明しなければならないという仕事が発生しそうなので。
突発的な仕事が増えたら、先生は対応出来そうにもなく。だから、これ以上、仕事が増えないように、安全面には厳しいだと思うんですよね。
でも、そんななかでも、社会見学は、「先生だけで引率します」と言っていただいたんですよね。
安全面から見たら、親が付き添ったり。そもそも車椅子の息子は、バスに乗せずに親が車で運搬しなければ連れて行かないよ、と言えばすむのだと思うのですが。
車椅子でも、できる限りは他の子供と同じ経験をさせた方がいい、という信念のもと、教員だけで社会見学をしてくれた支援学級の先生に感謝ですよね。
というわけで、車椅子の息子は、近所の公立小学校に通っているのですが。
先日の社会見学では、教員の先生だけで、バスに乗せたり、現地のトイレに連れて行ったりしてもらいました。
なんだか、小学校の先生の、日々の多忙さから子供たちには「〜してはダメ」と言って制約をしているけど。できる限りは、子供たちのための先生でいたいと思っていて。葛藤していて。
でも、社会見学では、少し自由にしてくれてよかったです。
(追伸)
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