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♦︎リペア業を始めようと思ったきっかけ③♦︎
【挑戦へのプレッシャー】
リペア業を初めた当初は、技術も取引先もゼロの状態。
メーカー業をしつつ、リペア業のための準備が始まりました。
日中はメーカーとしての営業や、職人さんとの打ち合わせをしつつ、靴の型紙を革に当てこむ「型入れ」や裁断をする作業、そして生産の段取り。
夕方以降は親戚中から集めた革製品をひたすら染める練習。
師匠から教えていただいた素晴らしい技術と、練習で何度も失敗を繰り返し、試行錯誤しながら私なりに習得した技術、そしてメーカー業をしていた強みでもある革製品の製造工程における知識、職人さんとの横の繋がり。
これらが他にはない私の「強み」と信じて進み始めました。
そして、新規の取引先を作るべく「革製品を染め直すリペア」を扱ってくれそうな、企業や店舗に営業メールをひたすら送り、都内近郊を車で周り飛び込み営業。
心ない言葉に落ち込んだり、話は聞いてもらえても仕事に繋がらないことがしばらく続きました。
この頃は子供もまだ小さく、路頭に迷うようなことは絶対にできない。後戻りもできない。
新しい事業を何とかして軌道に乗せるしかない。というプレッシャーに苛まれていた時期でした。
【初心忘るべからず】
二足の草鞋を履いて1年ぐらい経った頃(だいぶ経ちましたが)某企業への営業が功を奏します。
「試しに(染めを)やってみて欲しい」
新事業の最初の取引です。
ここから少しずつ好転していきます。
どん底に近い状況があったからこそ、仕事をいただける有難さ、人との繋がり、真摯に取り組むことの大切さを学ぶことができました。
あれから15年。今も勉強の日々。
「初心忘るべからず」
をモットーに、驕ることなくこれからも成長し続けられたらと思っています。
だいぶ端折ってはいますが、ひとまず「リペア業を始めるきっかけ」についての振り返りは終了。
引き続き、端折った部分を詳しく振り返ったり、掘り下げたり…
リペア業の情報を発信したり…
あるいは大好きなサッカーの話だったり…
今後もお付き合いいただけますと幸いです。