ただの性欲でされた方がずっと楽だった。
「既婚者の友達に彼氏が出来たらしい」
職場の同僚が神妙な顔で言うので、えー!と一応驚いてみせたけど、実はまったく驚いていません。
ワイドショーでセンセーショナルに伝えられる芸能人の不倫報道なんかよりももっと、私の生活の中には「不倫」が身近にそこかしこに存在しているからです。
古くからの友人、いとこ、そして私の夫。
みんな不倫をして、ひとときの夢を見ています。
これはあくまでも自論で、多くの人に嫌悪感を与えてしまうかもしれないのですが、私は不倫はアリだと思っています。
夫や妻に、離婚したいほどではないけれど、どうにも埋められない溝を感じている夫婦ってたくさんいるんですよね。
その溝を埋められるのは、本当はお互いの歩み寄りや思いやりなんだと思うのですが、みんな相手の違和感をそこまで深刻に捉えないから見てみぬふりをする。
そうすると、この人にはもう期待しない、削れてしまった寂しさは他の人で満たそうと考えるのでしょう。
寂しいままストレスを抱えて生きていくより、誰かの力を借りて束の間でも、心穏やかに夫や妻、こどもたちの親としての生活を頑張れるなら、私は不倫上等!と思うのです。
かく言う私も、その溝を埋めてほしい1人。
このどうしようもない寂しさを、誰かにまだまだ魅力的な女性だよ、大丈夫だよと、体と心でわからせて欲しい。
なぜ不倫をしたのか、そう問いただした私に「もっと自分を理解して欲しかった」と言った夫です。
ただ若い子を抱きたいとか、嫁には勃たないとか、そういう理由じゃなかった。
夫も私と同じ満たされない気持ちだったんだなぁ。
そう思わせてしまった私の落ち度なんだろうなぁ。
なぜ?どうして?を繰り返しながら、もう3年です。
夫への恨みや憎しみはそう長くは続きませんでしたが、やはり傷は大きく、ぽっかりとあいてしまった穴は果てしなく大きい。
不倫をする。
倫理に反することとわかっていても、それ以外に選択肢がなく避けようがないってこと、寂しい大人にはあると思います。
けれどするなら絶対に墓場まで持って行ってもらいたい。
例えラブホテルから2人で出てきたところに出くわしたとしても、昼寝をしていただけだと嘘をつき通して欲しい。
嘘だと丸わかりだったとしても決して認めず、妻や夫以外を必要として、自分だけが満たされた事実は隠し通して欲しい。
カジュアルに不倫を楽しむ人が増えた世の中で、これだけは肝に銘じて欲しいと、その同僚のお友達にも伝えたいのですが、私の経験者としての言葉を届けることはできません。
なぜなら、同僚には、私が夫から必要とされなかった魅力のない女だと知られたくないからです。
同僚たちとおしゃべりに花を咲かせ、どんなに楽しく過ごしていても、私の心にはいつもうっすらと影がさしているのだと、改めて思った1日でした。
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