全部「逆」の法則

「クライアントさんの考えていることは基本的に、すべてが逆だと考えてください」という衝撃の法則を、なんとぼくは自分のクライアントさんに、よく伝えている。

つまり、ぼくと対話をしているクライアントさんの考えていることは、基本的に逆だし、そのクライアントさんが、自分のクライアントさんと対話しているときは、その相手のクライアントさんも基本的には、本質と逆のことを考えていたり取り組もうとしているということです。なぜか？

その理由は、クライアントは、いま問題や課題を抱えているから相談に来ているわけで、クライアント本人の考えていることや取り組もうとしていることがもし、本質的に正しいことなのであれば、そもそも問題を抱えないはずだからこそ、そもそも相談に来てはいないはずなのです。

ということはつまり、今の思考や選択が逆(正しくは、ズレてしまっている)であるという仮説を立てて関わってあげられると、クライアント本人には気づけなかった「宝物」と出会っていただける可能性が高くなるという考え方。

ちなみに逆ってどういうことなのか、よくある「逆ですよ、それ」の事例を挙げておくと、
「やりたいことが見つからないから、なかなか一歩が踏み出せないんです」
→「一歩踏み出さないから、やりたいことが見つからないんですよ、それ」

「ブログを毎日書いているんですが集客に繋がってこないんです。何をどんなふうに発信すれば、お客さんと出会えるようになりますか？」
→「今はブログ発信よりも、足を動かして直接人と出会いにいくフェーズですよ、それ」

「自分のサービスに対して、自信を持ってお金を受け取れないので、知識やスキルを学んでいます」
→「売ってみてないし、提供してみてないから、喜んでもらえるのかどうかがわからなくて、いつまでも自信が持てないんですよ、それ」

といった感じで、クライアントさんが抱えている問題に対して、考えていることや取り組もうとしていることは、「基本的に逆である」という事例をいくつか簡単に挙げてみました。

もちろんまだまだ山のように事例はありますし、そもそもで問題と捉えているものが「逆」である可能性も多々あります。

ちなみに、この内容を誤解のないように、あなたにも活用してほしいので、もう少し細かく説明しておくと、なぜこの「逆」という仮説を持つのかということですが、これは「クライアントさんのことを信じていないから」疑っているということではなく、今日の言葉で言えば、それも「逆」なのです。

クライアントさんのことを本人以上に信じていて、リスペクトしているからこそ、なぜこの人は今、この問題を抱えてしまっているのか？なぜ、本来ちからのあるはずのこの人が、いま躓いてしまっているのか？

あなたも、自分が尊敬できて、素晴らしいと思っている人が本気で困って、悩んで、わざわざ自分に対して相談に来ていること自体が、疑問に思えてこないだろうか？

つまり何かがズレている、間違っているから、リスペクトしているこの人は、今の問題を抱えて困っているわけです。

だとしたら、リスペクトしているその人の考え方に乗っかり、一緒の視点で考えることはほぼ無意味。それが正しいのであれば、その人は自分だけでもすでに解決できているに違いない。

このリスペクトがあり、本人以上に信じている相手だからこそ、思い切った「逆」の視点にこそ、本当の問題解決につながる糸口があるのではないか？という仮説を立てられるのです。

ぼくにとってクライアントという存在は、先生と生徒という関係でも、自分よりも経験の浅い相手ということでもありません。

むしろ、自分よりも素晴らしい部分が多く、経験もあって、能力も高い、尊敬できる相手なのがクライアントという存在なのです。

そんな相手と関わっているのだから、「この人が思い通りに進めていないのは、何かがおかしい」と根本的な部分から疑ってみることは、ごく自然なこと。


以上、この「全部が逆の法則」は、信じている相手の力になりたい人にとって活用できる秘伝の技なので、ここまで読んでいただいたあなたに、特別に伝授します。

本日はここまで。
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