生成AIにて作成した画像 今回は、土佐 尚子さんによる2019年の論文「AIとアート〜AIはアートの創造に使えるか〜 」を読み、皆様にも分かりやすく記事にしています。
個人用のメモなので、書き間違いなどもあるかと思いますが、ご覧ください。
国立新美術館にて開催された「遠距離現在」でもトレヴァー・パグレンによるAIを活用した作品が飾られていました。
トレヴァー・パグレンについては、
彼のコンセプトや作品は上記リンクから確認ください。
AIが創り出すアートの世界:人間の創造性に挑むテクノロジー 近年、AI(人工知能)が私たちの日常に深く浸透してきています。AIはすでに囲碁や将棋の世界でプロ棋士を超える実力を発揮していますが、今ではアートの世界にもその力を発揮し始めています。この記事では、AIがどのようにアートの創造に関わっているのか、その可能性と課題について探ってみましょう。
AIとアートの出会い AIがアートに取り組む最初のステップは、大量のデータを学習することです。例えば、レンブラントの絵画を大量に取り込み、その作風を模倣するプロジェクト「The Next Rembrandt」では、AIがレンブラント風の絵画を新たに創り出すことに成功しました。しかし、ここで注意が必要なのは、AIが「創造」しているわけではないということです。AIは過去のデータを基に、あくまで既存のスタイルを再現しているに過ぎません。
人工知能が描いた「レンブラントの新作」 この絵画の題材や筆づかい、色合いといったすべての要素には、レンブラントの作品がもつ特徴が含まれている。しかしこの作品は、コンピューターによって図案化され、3Dプリンターによって作成されたものだ。 このプロジェクトは、オランダを本拠とする総合金融機関INGグループが出資したもの。オランダのマウリッツハイス美術館とレンブラントハイス美術館のチームが、デルフト工科大学、マイクロソフトと協力して制作した。 レンブラントの絵画の忠実な複製には、大量のデータが必要だった。そうして生まれた作品を、チームは「テクノロジーとアートの結婚」と表現している。
人工知能が描いた「レンブラントの新作」https://wired.jp/2016/04/14/new-rembrandt-painting/ AIが創る新しいアート AIによるアート創作が話題となったもう一つの例が、パリのアーティスト集団Obviousが手掛けた絵画です。彼らはAIツールを使って新しい作品を作り、それがオークションで約4,900万円という高値で取引されました。このような例は、AIがアートの創造に新たな価値を提供できる可能性を示していますが、同時にAIによる創作物の著作権や、アーティストとしての認識に関する議論を引き起こしました。
アーティスト集団Obviousとは 彼らの最新プロジェクト「Mind to Image」では脳活動を解析し、それをAIプログラムに組み込むことで視覚的なイメージを再構築しています。 最新プロジェクト「Mind to Image」では、オープンソースプログラムMindEyeを使用し、脳活動から表示された画像を取得して再構成し、それを独自のAIプログラムと組み合わせてアートワークを作成しました。 彼らは 2 つの異なるバージョンを試しました。 1 つは写真を見て、MRI で取得した脳波を通じて単純に再現しようとしたものです。 彼らはまた、書かれた説明に基づいて自分たちの想像したイメージを再現することも試みました。 それぞれについて、このプロセスを 10 時間にわたって何度も繰り返し、AI 用のデータベースを作成しました。
フランスの芸術集団「Obvious」脳波データからAIアートを創造!!https://polytopi.com/mind-to-image-project/
流体力学を用いたアート制作の未来 さらに興味深いのは、流体力学を応用したアート制作の試みです。水中にドライアイスを配置し、その振る舞いを高速度カメラで撮影することで、美しいアート作品が生み出されています。これらの作品は、AIがデータを基に作り出すものとは異なり、自然の力がもたらす予期せぬ美しさを追求したものです。
流体力学とは? 流体力学とは、流体(液体や気体)の運動、およびそこに働く力の性質などを研究する力学の一分野です。 流体力学の歴史は古く、古代ギリシアのアルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見し、1653年にブレーズ・パスカルが「パスカルの原理」を、1662年にはロバート・ボイルが「ボイルの法則」を見出しました。これらは、流体力学の中でも静止状態の流体を取り扱う「流体静力学」に分類されます。 その後、ニュートン力学を流体に応用して運動状態の流体を取り扱う「流体動力学」も誕生し、18世紀には非粘性流体の研究が、ダニエル・ベルヌーイ、レオンハルト・オイラー、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュらによってなされました。 さらに19世紀に入ると、アンリ・ナビエ、ジョージ・ガブリエル・ストークスらが粘性流体の研究に取り組み、19世紀末にはオズボーン・レイノルズが乱流の研究を進め、現代の流体力学に至ります。 このように長い時間をかけて発展してきた流体力学は、いまや私たちの生活に欠かせません。例えば、水力発電や風力発電などは、タービンを回すために水や空気の流体力学が使われています。パイプラインに石油や天然ガス、水などを安全に通せるのも流体力学あってのものです。 また、航空機や船舶、電車、自動車などの乗り物にも、高速化や燃費改善、騒音防止のために流体力学が応用されています。初期の新幹線のノーズは団子鼻のようでしたが、流体力学の応用が進むにつれて、ノーズの長さや形も進化を続けています。 他にも、鋳造や射出成形、油圧装置、潤滑装置など、流体力学はあらゆるところで活用されています。
https://engineer.fabcross.jp/archeive/231122_fluid-mechanics.html 流体力学とは?身近な例や使う場面を簡単に解説!AIがアートを創造する未来は来るのか? 最後に、AIが真にアートを創造することができるのかという疑問に触れましょう。現在のAI技術は、過去のデータを利用して新しい作品を作り出すことが主ですが、これが人間の創造性に匹敵するものかどうかは議論が分かれるところです。しかし、技術が進化するにつれて、AIが新しいアイデアを生み出し、真に独創的なアートを創造する時代が来るかもしれません。
AIとアートの関係は、まだ始まったばかりです。これからどのような新しい表現が生まれるのか、楽しみでなりません。