誠実と正直は違う

誠実と正直。
人の行為や性格を表す言葉だ。
どちらかと言えば、あるべき人格、
褒め言葉として使われる。

この2つの言葉の解釈を皆さんはどう考えているだろうか?

本記事では私の考えを紹介したい。

正直とは何か

端的に言えば「やったことを、言う」である。

ちょっと固く言えば、
・自分の言動について
・正しく伝えること
である。

日常の行為であれば、特に動機の面では正直であることは難しくない。
「○○しました」と、ただ言うだけだ。

人の性質として、正直さが問われるのは、相手に知られたくないことをやってしまった時だ。

相手に伝えたくないから、事実と異なることを言う。
正直の反対である「嘘」への動機となる。

ただ、ほかでもない自分の行為なのだから、
言葉にすることは能力としては難しくない。

問題となるのは、心の内側にある動機である。

誠実とは何か

誠実とは、正直と順序が逆になる。
つまり「言ったことを、やる」である。

固く言えば、
・相手に宣言した行動を
・実行すること
である。

ポイントは、
そもそも何も宣言していなければ、誠実になりようがない、ということだ。

誰にも知られず黙々とやるだけでは、
誠実とはならない。
(そういう黙々と行動する人は、誠実「そう」なイメージではあるが。)

宣言自体は、誰にだってできる。
言葉を伝えるだけだ。

問題は、言ったことを、きちんと行えるか。
まさに「言うは易し、行うは難し」である。

本人に、いくら誠実であろうとする動機が強くあったとしても、
能力がなければできないことがある。
災害など、どうしようもない不運で、できないこともある。

「ダイエットして、○○kg痩せる!!」と言ったところで、
達成できないケースか多々あることを考えれば、
イメージしやすいだろう。

宣言したことが、大きく実行しがたい内容であるほど、
誠実であるのは難しくなる。

実は、正直であることよりも、
誠実である方が遥かに難しいのである。

誠実と正直、どちらが重要か

人として、誠実でもあり正直でもあれたら、
それに越したことはない。
ただ、より重要かつ優先すべきは誠実さだ。

第一に、正直は絶対的な指標にならない。

血のつなかっていない親であることを隠し、
子供を育てる。

あえて怪我や病気を隠すことで、
相手に心配させない。

などなと。

上記が正しいかは、わからない。
明確な事実としては、「人によってブレる」、ということだ。

一方で、誠実さにおいてはブレは、ほぼない。
「○○する!」と宣言するのは、ほかでもない自分。
やらない方がいいのなら、最初から言わなければいい。

相手にとって実行されたくないことならば、
相手は宣言時に止めればいい。
止めることの可否はさておき、すくなくとも機会はある。

誠実であることが、人によってブレることは少ない。

第ニに、バレやすさだ。

正直でない場合も、突き詰めれば矛盾があるので、
バレる。また、「バレないだろう」と嘘をつくべきではないだろ。

ただ、「突き詰めれば」という条件つきだ。
日常の些細な嘘は、大抵みんなスルー。
エピソードトークも、多少はお化粧して、盛って話していても、誰もつっこまない。

嘘を推奨しているわけではないが、
実態としてはわりとスルーされる。
※重い話題での嘘は、突き詰められるので、必ずバレる。

誠実さは、偽りようがない。
宣言していることが、実現されたかは明白だ。

もちろん表現方法で多少のごまかしは聞くかもしれない。
抽象的な宣言なら、正確な判断はできないかもしれない。
しかし、0か1かは、絶対に分かる。日常生活の些細なことでさえも、全てモロバレだ。

「今度、飲みに行きましょう」と言いながら誘いもしない。
そんな社交辞令も、誠実「でない」象徴的な事象だ。

誰かれ構わず「かわいいね」「愛してるよ」と言いながら、
真剣な告白や交際をしない「チャラさ」という名の「不誠実」も周囲は直ぐに分かる。

誠実さは、労力をかけずとも直ぐに、誰にでもわかる。

第三に、信用の損失だ。
第二で記載した通り、
・日常の些細なこと
・誰にでも分かる
というダブルパンチなので、意識していないと、
あっという間に「不誠実」というレッテルを貼られる。

些細なことすぎて、
本人は不誠実と周囲に思われてることに、
気づいていないケースも多々ある。
いつの間にか、たくさんの人から膨大な信用を失っている可能性すらある。

上記の通り、
・ブレにくい
・(反した時に)バレやすい
・(反した時に)損失が大きい
という3点から、正直よりも誠実さが重要である。

まとめ

『些細な日常から、誠実たれ』

肝に銘じよう。

かしこ。

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望月宏起
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