アメリカと日本の物を買うことに対する考え方
露店でアイスクリームを買って、店の前で一口も食べられずに落としてしまったら。アメリカでは土がついたアイスを新しいアイスと交換してくれるかもしれない。だが、日本では、おそらく交換できない。
これは、物を購入するときの意識の違いによるからだと思う。アメリカでは、物を購入して使用することによって得られる「何か」に対してお金を払っていて、日本では、物自体をお金と交換しているというイメージがある。
アイスの例で言えば、日本ではアイスに対してお金を払っていて、アメリカではアイスを食べるということに対してお金を払っている。
チップの文化についても、この考え方は成り立つ。レストランで食事をするときに、メニューの値段は、日本では料理を購入することに対してであるが、アメリカではその料理をレストラン内で食べることにお金を払っている。また、その料理を運んでくれる給仕には、丁寧な接客や料理の説明などの体験をさせてくれるので、チップを払うのである。
クーリングオフがアメリカで多いのも同じで、物を購入して使用することで得られるはずの「何か」が得られない場合は、どれだけ使用していようとも返品する。やはりアメリカでは、その得られる「何か」に対してお金を払っているのだ。
これはどちらが優れていて、劣っているという話ではない。そもそもの根本的な考え方の違いである。だが、チップの文化なんかは、そのサービスを含めて料理の代金ではないかと、アメリカ人にも思うところがあるらしい。どの国も一長一短。思うところはあるようだ。